...馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海道の七間道路が向側(むこうがわ)まではっきりと照らされていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...仁右衛門はだだっ広い建物の入口の所で膝(ひざ)をだきながら耳をそばだてていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...するとこのだだっ広い倉庫の中に...
海野十三 「東京要塞」
...だだっ広いバーリー・ハウスが...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...町幅のだだっ広い...
徳田秋声 「あらくれ」
...だだっ広い茶の間を駈(か)けて歩いているのは葉子の別れた良人(おっと)によく肖(に)ている...
徳田秋声 「仮装人物」
...その森は、かなりの面積を持った、だだっ広い森で、中に真黒いのは黒松である...
中里介山 「大菩薩峠」
...浜屋というのは、一見旅籠屋(はたごや)とは見えない、古いだだっ広い、由緒の幾通りもありそうな構えで、大通寺の建築が豊太閤の桃山城中の殿舎であったとすれば、この宿屋は、たしかに秀吉長浜時代の加藤虎之助とか、福島市松とかいった人たちの邸をそのまま残したものであろうかと思われるくらいですから、間取りなども、宿屋というよりは陣屋、陣屋というよりは城内の大広間といったような感じのするところで、そのだだっ広い古びた一間にお銀様は、これも古風な丸行燈(まるあんどん)の下で、机に向ってしょんぼりと物を書いているところです...
中里介山 「大菩薩峠」
...このだだっ広い屋敷に起きているものはないはずです...
中里介山 「大菩薩峠」
...だだっ広い石造の広間で...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...此だだっ広い押しつぶしたような室(へや)は...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...そのだだっ広い場所を独占することができ得よう? もしそうしている神仏でもあるならば...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...穴のあかんばかりに三十郎の顔を眺めてからだだっ広い框座敷の奥のほうへ向って...
久生十蘭 「生霊」
...三町四方もあるだだっ広い雪の原のうえに...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...うっすらと見える涯しもなくだだっ広い通りを揺られて行った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...だだっ広い家の真中に掛かる燈火(ともしび)の光の薄らぐ隅々(すみずみ)には壁虫が死に絶えるような低い声で啼く...
水上滝太郎 「山の手の子」
...だだっ広いだけのその荒地のほぼ中ほどに...
山本周五郎 「青べか物語」
...本位田家のだだっ広い土間口に立って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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