...上野の科学博物館へ日参して博物の標本をたんねんに見てきたそうである...
海野十三 「蠅男」
...聞く所によると、バレンなどといふものは、竹の皮のある時節のを採つてきて、たんねんに、纎をぬいて、それをより合せて長い綱にしてそれをぐる/\卷きこんで作るもので、とても手數と精進のいるものださうだ...
竹久夢二 「砂がき」
...一つ一つたんねんに取ってやりながら...
太宰治 「姥捨」
...たんねんに読んで...
太宰治 「正直ノオト」
...たんねんに朱筆を入れて下さっていたのだ...
太宰治 「惜別」
...たんねんに呑んでまはつた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...たんねんに呑んでまわった...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...たんねんに珍重し...
太宰治 「春の盗賊」
...その時に控え室となっていた教場の机の上にナイフでたんねんに刻んだいろいろのらく書きを見ていたら...
寺田寅彦 「映画時代」
...その上にまたそれら破片の現品がたんねんに当時のままの姿で収集され...
寺田寅彦 「災難雑考」
...折れた機材どうしが空中でぶつかったときにできたらしい傷あとも一々たんねんに検査して...
寺田寅彦 「災難雑考」
...ある時いた下男などはたんねんに繩切(なわき)れでわなを作って生けがきのぬけ穴に仕掛け...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...投網(とあみ)の錘(おもり)をたたきつぶした鉛球を糸くずでたんねんに巻き固めたものを心(しん)とし鞣皮(なめしがわ)――それがなければネルやモンパ――のひょうたん形の片を二枚縫い合わせて手製のボールを造ることが流行した...
寺田寅彦 「野球時代」
...たんねんに教えてみたり...
中里介山 「大菩薩峠」
...よし子はたんねんに藁葺屋根の黒い影を洗っていたが...
夏目漱石 「三四郎」
...延喜式の献物品の種目をたんねんにしらべた結果...
柳田国男 「故郷七十年」
...たんねんに拵えた丸薬大の鼻くそを...
吉川英治 「くせ」
...――東福寺領肥前ノ国彼杵(ソノキ)ノ荘ヘノ鎌倉幕府下知状目録といったような文書の反故裏(ほごうら)がたんねんにつかってある...
吉川英治 「私本太平記」
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