...たんねんに写し取つて置いた事があつた...
上村松園 「思ひ出」
...聞く所によると、バレンなどといふものは、竹の皮のある時節のを採つてきて、たんねんに、纎をぬいて、それをより合せて長い綱にしてそれをぐる/\卷きこんで作るもので、とても手數と精進のいるものださうだ...
竹久夢二 「砂がき」
...一つ一つたんねんに取ってやりながら...
太宰治 「姥捨」
...熊本君は、ちゃんと私たちと向い合って坐っていて、いましがた死力を尽して奪い返したデリケエトのナイフが、損傷していないかどうか、たんねんに調べ、無事である事を見とどけてから、ハンケチに包んで右の袂(たもと)の中にしまい込み、やっと、ほっとしたような顔になり、私たち二人を改めてきょろきょろ見比べ、「なんですか? さて、どうしたのですか...
太宰治 「乞食学生」
...たんねんに読んで...
太宰治 「正直ノオト」
...たんねんに朱筆を入れて下さっていたのだ...
太宰治 「惜別」
...たんねんに呑んでまはつた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...私たちは列車の窓をひとつひとつたんねんに捜して歩いた...
太宰治 「列車」
...たんねんに読破している...
太宰治 「ろまん燈籠」
...めがねでたんねんに検査してはいたが...
寺田寅彦 「球根」
...ほど近いいろいろの美術館をたんねんに見物したり...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...折れた機材どうしが空中でぶつかったときにできたらしい傷あとも一々たんねんに検査して...
寺田寅彦 「災難雑考」
...すべてがただ紙の表面へたんねんに墨と絵の具をすりつけ盛り上げたものとしか感じられない...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...鍵盤(けんばん)のアクションのぐあいの悪いのを一つ一つたんねんに検査して行く...
寺田寅彦 「備忘録」
...花園や果樹林に咲き乱れたいろいろな花からたんねんに汲(く)みとって運びかえったこんじきの甘露...
中勘助 「胆石」
...よし子はたんねんに藁葺屋根の黒い影を洗っていたが...
夏目漱石 「三四郎」
...家でたんねんに調べてみると...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...たんねんに繰り返してみた」主計は無感動な眼で...
山本周五郎 「古今集巻之五」
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