...庭の松に張ってある雪よけの縄(なわ)がたるむほどつもっていた...
芥川龍之介 「老年」
...詩を寫したるむすび文...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...うちしぐれたるむら雲がくれの程...
上田敏 「月」
...飛彈の國へ牛を曳いて行つたものは谷を籠で渡されることがあるが渡しの途中で綱がだん/\たるむとみんな眞蒼になつて籠が向へついた時にはもう死人のやうになつてしまふ...
長塚節 「佐渡が島」
...白帆はふつと膨れると耳もとで帆綱がぎり/\つと鳴つてやがてばさ/\とたるむ...
長塚節 「佐渡が島」
...搖られながらうと/\となつて居ると帆綱が絶えずぎり/\つと軋つては白帆がばさ/\とたるむ...
長塚節 「佐渡が島」
......
中原中也 「山羊の歌」
...恟々(きょうきょう)たるむきも少くなかった...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...たるむでゐたメリヤスの股引をたくしあげた...
牧野信一 「池のまはり」
...ぬかづけばひよ鳥なくやどこでやら三島の旅舎に入りて一夜の宿りを請えば草鞋のお客様とて町に向きたるむさくろしき二階の隅にぞ押しこめられける...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...言語の上にたるむたるまぬといふ事あり...
正岡子規 「俳諧大要」
...たるむとは一句の聞え自(おのずか)ら緩(ゆる)みてしまらぬ心地するをいふ...
正岡子規 「俳諧大要」
...句調のたるむこと一概には言ひ尽されねど...
正岡子規 「俳諧大要」
...二句めの「や」はとかくたるむものなれど...
正岡子規 「俳諧大要」
...別に何たるむつかしき説法あるにあらず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...縄(なわ)がたるむよ...
宮沢賢治 「カイロ団長」
...たるみにたるむ程長く伸してるのだから...
横瀬夜雨 「春」
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