...蛍火(ほたるび)のような信号灯一つをたよりに...
海野十三 「空襲警報」
...博士がたよりにしているのが...
海野十三 「超人間X号」
...海は思ったよりもうねりが高かった...
大阪圭吉 「死の快走船」
...壁畫のマグダーレン自身が拔け出たよりも...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...武揚(たけあき)の家(いえ)にはなんのたよりもなく...
高山毅 「福沢諭吉」
...お医者さんも近所のたよりない人に見て貰ってるだけ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...たより/\いろ/\...
種田山頭火 「其中日記」
...吉岡は思ったより晴々した顔付をしていた...
豊島与志雄 「好意」
...こういう場合には、傷ついたよりも、殺された方が幸いである...
中里介山 「大菩薩峠」
...非科学的であることの甚(はなはだ)しい弁信法師の頭だけの暗示をたよりとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...「大へん、ようござんすね、よろしうござんすけれども、弁信さん……」お雪ちゃんは、とりあえず問いに答えておいてから、引続いて、やっぱり怨(うら)み言(ごと)の筋を引くことを如何(いかん)とも致し難く、畳みかけて詰問でもするように、「あなたという人も、あんまりじゃありませんか、わたしをこんなところへまで連れて来て――連れて来て下さった御親切も、こうして何とは知らないけれども、住み心地は悪いとは思えないところまで、連れて来て下さった御親切は有難いですけれども、わたしの会おうとしている人に、ちっとも会わせて下さらないじゃありませんか」「ああ、そのことですか」「そのことですかじゃありません、美濃の国の不破の関へ来て、鈴慕の曲をまで聞かせて下さっておきながら、それからあとはどうしたのです、あなたはどうしてわたしの会いたい人に会わせて下さらないのですか――鈴慕が聞けるくらいのところにいるのですから、あなたさえ会わせてやろうとお思いになれば、今日すぐにでも会えるに違いないと思いますのに、それを、あなたは会わせて下さらない、ただ会わせて下さらないだけならいいけれども、もしかして、あなたは、わたしをあの人から遠ざけようとなさるのじゃないかしら、それも、あなた一流の親切から出でてそうなさる、意地悪でなさるのではないことはよくわかっていますけれども、そんなにまで、わたしというものが、たよりない、意気地ない人なのでしょうか...
中里介山 「大菩薩峠」
...御用聞は十手捕繩をたより過ぎちやならないのさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寝床へはいつたより江の枕元へ持つて行つてやりました...
林芙美子 「蛙」
...あなたが與へ手であり保護者であるより以外の役を輕蔑(けいべつ)してゐらしたあの誇らしい獨立の時代のあなたよりも好きなんですの...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...また思ツたよりも淺い女らしい...
三島霜川 「平民の娘」
...わざと揃へたよりは...
森鴎外 「花子」
...神にたより神にすがろうとすればするほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...愛国の念を標榜し、忠臣を以て任じるこの国民は、貴方がたよりも、もっと高く反逆の旗を翻すにちがいない...
柳宗悦 「民藝四十年」
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