...かくて昔のやしなひ親にたよりて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それだけたよりない思慕である...
石川啄木 「田園の思慕」
...そこで鉤穴から出たことを知つて絲をたよりに尋ねて行きましたら...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...郵便――うれしいたより...
種田山頭火 「行乞記」
...あなた他のどなたより優れた方ですわ……」と言った彼女の眼には涙がにじみ出た...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...吾々がクラブにおいて二つの安楽椅子にかけていたよりももっと熱情も芝居気(しばいげ)も持たず吾々が生き埋めされていたそれ等の割目の中で私に話をしました...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...屠蘇(とそ)を祝うて居る席に死のたよりが届(とど)いた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...より弱くてまたより突進的であった...
豊島与志雄 「二つの途」
...重吉は新聞の職業案内をたよりに諸処方々歩き廻った末...
永井荷風 「ひかげの花」
...百のお喋りをしたよりも胸がすっとして...
林芙美子 「泣虫小僧」
...今はそのうめき声がつづいていることだけが彼の唯一のたよりのようにおもえた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...ほんとうに軽蔑されていたよりももっと軽蔑されるにふさわしいようなこと...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...寅さんの演出が何うもたよりない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...プラットフォームには急に冬らしくなった日差しがたよりなげに漂った...
堀辰雄 「菜穂子」
...全(まつた)く斯(こんな)小(ちひ)さな容體(なり)をしてるのは可厭(いや)だわ!』實際(じつさい)思(おも)つたよりも早(はや)く...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...どんなに仕事の上での又生活の上でのさっぱりとしてたよりになるほんとの男女の協力を願っているかもしれないと思う...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...これは仲の町の引手茶屋駿河屋とくの抱(かかえ)鶴が引かせられたより前の事である...
森鴎外 「細木香以」
...その声が思ったより高く一間の中に響き渡ると...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
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