...たまに珍らしくも戸がぽつりと明いたかと思つても...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そういえば「あらはれわたるよどの川舟」と景樹が詠(よ)んでいるようにむかしはこういう晩にも三十石船(こくぶね)をはじめとして沢山の船がここを上下していたのであろうが今はあの渡船(とせん)がたまに五...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そんなことをたまには考えてみる必要があるのかもしれない...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...気が向くとたまには寄席(よせ)へも入ってみた...
徳田秋声 「仮装人物」
...たまにそこへやって来るのであったが...
徳田秋声 「爛」
...そんなことはたまにしかないことだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...それでも浅草という特種な雰囲気が漂っているものもたまには見られない事もなかったが...
永井荷風 「裸体談義」
...たまに助かる奴なんざあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...たまには掃除をしておけ」「其処(そこ)までは届かねえ」「寝物語なんてものを用いないからだよ」無駄を言いながら...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...親分もたまには暇をもらって湯治にでも行って――」「馬鹿野郎」「ヘエ」「とんでもねえ野郎だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たまに櫂(かい)や櫓(ろ)を任せると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たまには愚痴の一つも出るでしょう...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...私などたまに會合に出席してこつてりした西洋料理で食もたれをしてゐる後で...
正宗白鳥 「私も講演をした」
...「ホ、ホ、ホ、あたしだって、木ぶつ金ぶつじゃあござんせんし、たまには、なまごころも出て来ますゆえ――」「御亭主をなくされて、気楽に日を送っているからだなら、まあ、拙者とつき合ってまいってもよかろうな――」ポンポンと、手を鳴らして、門弟を呼ぶのを、「だって、お家の方々が、これから長居をしては、何とお思いになりますやら――」「酒じゃよ――早う」と、平馬は、膝を突いた弟子に言って、「なにが、構うことが――家内でもあれば兎(と)に角(かく)――もっとも、そなたほどの女子(おなご)を一目見た男は、あった家内も、じきに去りとうなるかも知れぬが――」――ふん、またしても、いや味ッたらしい――――でも、こんな奴こそ、馬鹿と鋏(はさみ)は何とやらで、また便利なときもあるかも知れないから、まあ、ちょっと、釣っておいてやろうか――お初は、そう思案をきめて、「じゃあ、折角のことですから、お相手させていただきましょうかしら?」「うむ、そういたしてくれ、かたじけない――お願い申すよ、何せこの荒くれた世帯、たまには自家(うち)の中にも、花が咲いてくれなければ――」門弟が運んで来た、酒肴(しゅこう)――といっても、どんぶりに、つくだ煮をほうり込んだのに銚子(ちょうし)――――まあ、今夜は、何て貧乏たらしいお膳(ぜん)ばかり見なければならないのだろうね――さっきが、古寺の酒もりで、今度が、道場の御馳走(ごちそう)――お初は、鼻の先を皺(しわ)めたが、それをかくして、「御門弟さん、お燗(かん)は、そこでつけますから、小出しのお徳利に鉄瓶(てつびん)を貸して下さいましな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...たまには遊ばねえとからだがうんじまうだよ」私には意味がわからなかったが...
山本周五郎 「青べか物語」
...たまにゃあむしゃくしゃして肚(はら)も立つだろう...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...たまには女の子の酌で一杯やりにゆくのがたのしみだったけれども...
山本周五郎 「季節のない街」
...あたまに描くことが不可能なほど...
吉川英治 「私本太平記」
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