...たちまち幾百里の山河(さんが)を隔てた...
芥川龍之介 「貉」
...たちまち烈火のごとくに猛(たけ)り出して...
泉鏡花 「婦系図」
...それでもまっすぐに行っては悪いと思うから少しなりともS字を画こうと努力するとたちまち一間ぐらいはねとばされた...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...たちまちピカリと光るかと思うと...
井上円了 「おばけの正体」
...この落ち著きの中にたちまちひそひそとささやく声が聞えた...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...たちまち起るはげしい爆音...
海野十三 「月世界探険記」
...たちまち、二十面相がついらくしてくる...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...たちまち東京人に飽かれて...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...たちまち箍(たが)を外して...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...するとたちまち活溌な商業が開始された...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...たちまちまた眠りこむ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...その瞬間まで私を取卷いてゐた昨日の風景の幻たちがたちまち消滅する番だ...
堀辰雄 「水のほとり」
...さしもの高鼻たちまち参ったと『日本紀』二の巻に出づ...
南方熊楠 「十二支考」
...たちまち正道は縛られた縄が解けたように垣のうちへ駆け込んだ...
森鴎外 「山椒大夫」
...家の中はたちまち煙でいっぱいになり...
山本周五郎 「風流太平記」
...そのうえ、駒ヶ林から浜づたいに駈け慕ってきた騎馬隊があり、また、後詰(ごづめ)には、二本松の義貞の本陣からも、経ヶ島附近にある脇屋義助の陣からも、たちまち、これへいくらでも応援が可能であった...
吉川英治 「私本太平記」
...だが、ここでは上杉伊豆の懸命な指揮のもとに、桃井修理、大高伊予、須賀左衛門、三浦介の族権(ぞくごん)ノ九郎らが総力をあげてふせぎに立ち、時にはその一端をやぶられても、たちまち、追ッかけ追ッとりつつんで、からくも、わずかなまを持ちささえていた...
吉川英治 「私本太平記」
...たちまち先へ走って行く二つの影に追いついた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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