...そこへ小雑誌(しょうざっし)の原稿料は六十銭を上下(じょうげ)しているんですから……」保吉はたちまち熱心にいかに売文に糊口(ここう)することの困難であるかを弁(べん)じ出した...
芥川龍之介 「十円札」
...取っ組み合っただけの波はたちまちまっ白な泡(あわ)の山に変じて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...たちまち身は水中に沈んで...
海野十三 「海底都市」
...」といっているうちに、五つの円盤は、銀座の空をよこぎって、たちまち、見えなくなってしまいました...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...蜘蛛はたちまちこれを捕え殺して血を吸うてしまう...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...たちまち体の前部をちぢめて太くする...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...たちまち二つの首が生(は)えてくるのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そんなのが顔が綺麗(きれい)だったりするとたちまち人気を呼び...
高見順 「如何なる星の下に」
...その色がたちまち表に露(あら)われるが...
田中貢太郎 「碧玉の環飾」
...三四郎はこの狭い囲いの中に立った池の女を見るやいなや、たちまち悟った...
夏目漱石 「三四郎」
...すると彼には一昨日ここを訪れた時からの隔りがたちまち消えてしまう...
原民喜 「秋日記」
...急に頭を擡(もた)ぐるとたちまち幻像は消え失せたが跡に依然何か舞うて居る...
南方熊楠 「十二支考」
...たちまち櫛(くし)の歯をひくように変を知らせてきた...
吉川英治 「三国志」
...そんな凡眼で、この大軍をうごかし、呉の周瑜(しゅうゆ)に当るときは、たちまち、敵の好餌――撃砕されるにきまっている」「何、敗れるにきまっていると」「然り、小学の兵書に慢じ、新しき兵理を究(きわ)めず、わずか、一書簡の虚実も、一使の言の信不信も、これを観る眼すらない大将が、何で、呉の新鋭に勝てようか」「…………」ふと、曹操は唇(くち)をむすんで、何か考えこむような眼で、じっと、沢(かんたく)を見直していた...
吉川英治 「三国志」
...部下たちもたちまち酔いだした...
吉川英治 「三国志」
...そしてたちまち一問を発し...
吉川英治 「三国志」
...たちまち議は一決し...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして慨歌(がいか)たちまちに...
吉川英治 「新・水滸伝」
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