...沢山の汚名を持つ私を、たちの悪い、いたずら心から、わざと鄭重に名士扱いにして、そうして、蔭で舌を出して互に目まぜ袖引き、くすくす笑っている者たちが、確かに襖(ふすま)のかげに、うようよ居るように思われ、私は頗(すこぶ)る落ちつかなかったのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...たちの悪い請負師(うけおいし)でも手を抜くすきがありそうもない...
寺田寅彦 「断水の日」
...亡霊のなかでも古い恋の亡霊ほどたちの悪いものはない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...『たちの悪い非常識な悪戯だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...最もたちの悪い老猫(ろうびょう)だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...――お美乃さんなんかの前じゃ言えなかったわけでさ」「どこだ」「一番たちの悪い場所...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お酒のたちの悪い上に...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...たちの悪いことを企らんどるごとある...
火野葦平 「花と龍」
...ごくたちの悪い酒場に...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...ほかにもたちの悪い侵入形跡がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...繁や倉が俺たちの悪い噂を振りまいてゐるところを見聞してゐるんだ...
牧野信一 「鬼涙村」
...昨日はたちの悪い発作があったことはあった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...ありやよくよくたちの悪いゴロツキだ...
三好十郎 「地熱」
...きみたちの悪いのにすっかり腹(はら)をたてて...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...たちの悪いことをする者もあるが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おきぬに劣らずたちの悪い女がいる...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...たちの悪い男がはいってるって...
山本周五郎 「さぶ」
...よほどたちの悪い風邪とみえて...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??