...次第に黄昏(たそがれ)が近づいて来た...
芥川龍之介 「東洋の秋」
...三黄昏(たそがれ)に...
泉鏡花 「浮舟」
...黄昏(たそがれ)の頃だった...
太宰治 「眉山」
...これもたそがれのかげを引いて長く吠(ほ)えた...
谷譲次 「踊る地平線」
...たそがれどきにくらいところでものおもいにしずんでいらっしゃるお顔のいろの白さなど...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...と見る間(ま)もなく初秋(しょしゅう)の黄昏(たそがれ)は幕の下(おり)るように早く夜に変った...
永井荷風 「すみだ川」
...村落(むら)の者(もの)が去(さ)つた後(あと)には小(ちひ)さな青竹(あをだけ)の線香立(せんかうたて)からそこらの石碑(せきひ)の前(まへ)からぢり/\と身(み)を燒(や)いて行(ゆ)く火(ひ)に苦(くるし)んで悶(もだ)えるやうに煙(けぶり)はうねりながら立(た)ち騰(のぼ)つて寂寥(せきれう)たる黄昏(たそがれ)の光(ひかり)の中(なか)に彷徨(さまよ)うた...
長塚節 「土」
...黄昏(たそがれ)に御仏壇を覗(のぞ)いたような店の家だった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...襖(ふすま)をたてると昼間でも黄昏(たそがれ)のように暗い部屋だった...
林芙美子 「河沙魚」
...★池のほとりの黄昏(たそがれ)は手ぶくろ白きひと時なり草を藉(し)き静かにもまた坐るべし古き言葉をさぐれども遠き心は知りがたし我が身を惜しと思ふべく人をかなしと言ふ勿れ★鵞鳥は小径を走る...
三好達治 「測量船」
...」「あなた様がお館をお出になるのがたそがれでござったゆえ...
室生犀星 「玉章」
...蒼ざめた庄吉の顔がたそがれの光のなかで顫え...
山本周五郎 「柳橋物語」
...たそがれの森の路(みち)……(一九一二年巴里にて)ツウル市にて水に渇(かつ)えた白緑(はくろく)のひろい麦生(むぎふ)を...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...黄昏(たそがれ)に立っていた娘のお蝶は...
吉川英治 「江戸三国志」
...黄昏(たそがれ)の空に落葉飄々(ひょうひょう)と舞(ま)って...
吉川英治 「三国志」
...それがもうたそがれ近い...
吉川英治 「私本太平記」
...たそがれの一刻は...
吉川英治 「新書太閤記」
...山上の宿院に着いた時はもう黄昏(たそがれ)近かつた...
若山牧水 「比叡山」
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