...せっかちな人ねえ」そう穏かにたしなめるらしい愛子の声が階下でした...
有島武郎 「或る女」
...君は自分をたしなめるように堅いさびしい調子でこう言った...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...学士はたしなめるやうに...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...とたしなめるつもりで幾らか激しい口調で云った...
上田広 「指導物語」
...それをたしなめるようににらみつけると...
海野十三 「太平洋魔城」
...負けずぎらいな親爺(おやじ)をたしなめるように怒鳴った...
徳永直 「麦の芽」
...とてもいい気持なのよ!」「リーズや!」と母夫人はたしなめるように言ったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あなたは何か勘違いをしておいでになります」娘は泣きながら弁信をたしなめるのも無理はありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛んでもない相手に喧嘩を売りかけたものだ――といってたしなめると...
中里介山 「大菩薩峠」
...「田山先生、あんまり手荒いことはしないで頂戴ね」「うむ、萌(もゆる)さん――君もいったい心がけがよくない」と白雲は、押隔たる娘の面(かお)を浅ましげにながめて、たしなめると、「マドロスさん、そんなに悪い人じゃありません、手荒いことしないでね」「君を掠奪して、こんなところへ連れ込んだ不埒千万(ふらちせんばん)な奴じゃないか」「いいえ、マドロスさんばかりが悪いんじゃないのよ」「無論、君にも責任があるよ、何というだらしないこった、歯痒(はがゆ)くってたまらない」その時、号泣していたマドロスが、急に哀願の体(てい)で、「田山先生、ワタクシ、悪イトコロアヤマルデス、縄、解イテ下サイ」それを耳にも入れず田山白雲は、柳田平治をさし招いて言いました、「柳田君――ではこれからを君に引渡すから頼みますよ」「承知しました」「マドロス」と、白雲が改めてマドロスを呼びかけると、「ハイ」神妙な返答です...
中里介山 「大菩薩峠」
...又次郎のたしなめる聲の下から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たしなめるつもりで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...おれが一言たしなめると恐れ入つてしまつたから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...得意の弟をたしなめることも出来なかつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...ひいきしている故にたしなめるという前おきできめつける...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...とおりつは自分をたしなめるのであった...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...扉へ向ってたしなめると...
吉川英治 「日本名婦伝」
...何を泣く――」こう三(み)ツ児(ご)でもたしなめるように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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