...またたいていました...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...師匠の鶯も元来そう云う風にして人為的に仕込まれた鶯であり有名なのは「鳳凰(ほうおう)」とか「千代の友」とか云った様にそれぞれ銘(めい)を持っているさればどこの誰(だれ)氏の家にはしかじかの名鳥がいると云うことになれば鶯を飼(か)っている者は我が鶯のために遥々(はるばる)とその名鳥の許(もと)を訪ね啼き方を教えてもらうこの稽古を声を附けに行くと云い大抵(たいてい)早朝に出かけて幾日も続ける...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...雑誌という雑誌はたいてい取って...
田山花袋 「田舎教師」
...たいていな醜い顔にも...
田山花袋 「少女病」
...たいてい二本ずつお買いになりますが」という...
寺田寅彦 「試験管」
...観念はたいていいつも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...たいていの人は校正の仕事を厭うのだが...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...藁(わら)の小(ちひ)さな極(きま)つた束(たば)が一把(は)は大抵(たいてい)一錢(せん)づゝであつた...
長塚節 「土」
...足で樽をばたばたとたたいていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ところが父はたいていのことと同じようにこのことを忘れてしまったんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この置きっ放しになっている書類はたいていはとくに大きな大きな束であった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...その身體の弱さの苦勞も並大抵(なみたいてい)ではなかつたが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ラスタ山の明かりが遠くにまたたいている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...すると(万事とはいかないが)たいていのばあい打開の途がついた...
山本周五郎 「雨あがる」
...たいていの者が道を避けながら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...三十年代にはたいてい影を潜めたが...
山本笑月 「明治世相百話」
...わたしはあの村の者の易をたいていみてやった...
横光利一 「馬車」
...もう白い星が洛内(らくない)にまたたいている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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