...それ以前に佐佐木は一度鵠沼にきて...
小穴隆一 「二つの繪」
...ただし、楠公没後のものはしようがないが、それ以前、鎌倉時代より元弘年間にわたったものなら参考にして差(さ)し支(つか)えなかろうというので、楠公の服装はその辺のものを材料にして決めたようなことでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それ以前から先輩の読み物であった坪内(つぼうち)氏の「当世書生気質(とうせいしょせいかたぎ)」なども当時の田舎(いなか)の中学生にはやはり一つの新しい夢を吹き込むものであった...
寺田寅彦 「科学と文学」
...立場としての立場、整合――彼はそれを理論の基礎として示した――が終局的なるものであったのではなくして、実は、何か立場以外のものが、従って今のことから、それ以前に、立場の選択を与えたのであった...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...元禄またはそれ以前に既にh音であったのではないかと思われるふしもある...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...それ以前の句への肯定的な評価と打って変わって否定的な評価をするようになった...
藤野古白 「藤野古白句集」
...彼のそれ以前の小説と結びつく...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...* それ以前の「ザムボア」などに載つた初期の作品は...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...緒論日本で数学の発達したのは徳川時代及びそれ以前〔後〕のことであって...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...それ以前には、腰にも、わき腹にも、またどこにも、それらしいきざしは少しも感じなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それ以前は是をもツケザシと呼んでいた...
柳田国男 「木綿以前の事」
...センバという語などもちゃんとそれ以前に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...またそれ以前にも...
山本周五郎 「山彦乙女」
...それ以前も絶え間のなかつた――三好...
吉川英治 「折々の記」
...すでにそれ以前の承久の四年間も貞應の三年間も...
吉川英治 「折々の記」
...女房方や童(わらわ)まで見えません」なおそれ以前に...
吉川英治 「私本太平記」
...それ以前に、ぼくは本所林町の夜間工芸学校へ志願し、すぐ許可されたので、夜はそこへ通学していた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...それ以前に起こるかも知れぬところの日本全体の社会的大地震の惨害に対してこそ...
和辻哲郎 「地異印象記」
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