...そればかりか、その絵が与える全体の効果にもしっかりとまとまった気分が行き渡っていた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...たとえば、着ているものにしても、たくさんの美しいダイヤモンドにしても、そればかりか、からだの中にしても、まちがいなくすぐれています」と...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「ナイチンゲール」
...そればかりか、とんでもないものに命中してしまった...
海野十三 「恐竜島」
...そればかりか、彼は犯罪事件の渦中(かちゅう)に巻込まれることさえ厭(いと)わなかった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...そればかりか、軍隊に入った者もしばらくして気がつけば宣伝部門その他の本質的に文章に関わる仕事に従事していることが多かった...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「詩とマイクロホン」
...こんな人物が現われたら――その一人だけでも悲劇を生むに十分じゃないか? そればかりか...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...肺を病んで、神経質で、痩せて、骨立って、顔色も浅黒く、そればかりか、日常の言語は、へんに精神的だがぽきりと棒ぎれのようだし、挙措動作も、はきはきしてるがぎごちなく、謂わば凡てに女性的な濡いと曲線とが乏しい彼女なのだが、その時の彼女の素振りには、おのずから流れ出た子供っぽいものがあったのだった...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...何にしても、五百万の民草を統治する一国の皇帝が、いまやこの東京において暗殺の危機にさらされ、そればかりか、ひょっとすると、その死体が、東京のもっとも目貫の場所へ投げ出されようという大非常時...
久生十蘭 「魔都」
...そればかりか、相手の片方の頬髯が、片方のより小さく疎らになっているようにさえ思われた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そればかりか、あの男(ひと)のそばへ坐ろうと思って、躍起になって扉口の椅子を奪いあった方たちさえありましたわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そればかりか、『死んだ農奴(魂)』という言葉が甚だ漠然たる響きを持っているので、もしやこれは、つい最近にあった二つの不祥事件の犠牲者で、てっとりばやく埋葬されてしまった死人のことを暗示しているのではなかろうか、などと疑い出しさえした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そればかりか、妾は谷村に対して突然、これまで感じたことのない激しい情熱を感じてきたことも告白しなければなりません...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...そればかりか二度と戻ってこなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...そればかりか、私は『ライフ』の写真であなた方が小さな犬の頭を大きな犬の首の横に縫い付けた様子を見ました...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...そればかりか、妹はうちのなかをきれいにかたづけたり、寝床(ねどこ)に白いきれいな敷布(しきふ)をきちんとかけたりしました...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「十二人兄弟」
...そればかりか、其許(そこ)の功を嘉(よみ)せられ、征東将軍の称を贈って、宰相の心をなだめようとさえしておいであそばす」「もったいないことでした...
吉川英治 「私本太平記」
...そればかりか卓にトンと頬づえ突いて顔を乗せると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そればかりか今度はくるりと向うを向いてしまった...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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