...そればかりか、お面全体が奥へひっこんだ...
海野十三 「怪星ガン」
...そればかりか、おまいさんをよろこばすかはりに、下手をまごつけァその犬にかみつかれるかもしれないんだ...
鈴木三重吉 「小犬」
...福子さんどうぞ考へて下さい私は自分の命よりも大切な人を、………いゝえ、そればかりか、あの人と作つてゐた楽しい家庭のすべてのものを、残らず貴女にお譲りしたのです...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そればかりか、できることなら、そのままいつまでも、目をさまさないでいたかったらしい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...そればかりか……あなたなら云ってもいいでしょう……長尾さんや大西さんの尻にくっついて酒を飲まして貰ってるとは...
豊島与志雄 「別れの辞」
...そればかりか、この池全体が、なにか、子どもによそよそしい感じをもっていることがわかったので、じきそばをはなれてしまった...
新美南吉 「嘘」
...そればかりか、無終極性が未完成從つて不滿足の連續を意味したのに反して、ここでは主體は、過去も將來もなき純粹なる現在に安住しつつ完成されたる生の歡喜に浸ることが出來る...
波多野精一 「時と永遠」
...そればかりか給仕さえも...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...そればかりか、物をいふことだつて出來るやうだが、ただどうも、かう、片意地なところがあるらしい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...そればかりか、『死んだ農奴(魂)』という言葉が甚だ漠然たる響きを持っているので、もしやこれは、つい最近にあった二つの不祥事件の犠牲者で、てっとりばやく埋葬されてしまった死人のことを暗示しているのではなかろうか、などと疑い出しさえした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そればかりか、わざわざ秤にかけたり、物指ではかってみたりするまでもなく、ちょっと品質を見ただけで、羅紗なり他の織物なりが何ヤールあるかということを一目で見抜いたり、小包みを手に持って見ただけで、即座にその目方が何百匁あるかを言いあてたりすることが出来た...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そればかりか、二人がこのように会うのは今日かぎりになるかもしれないのだ、ことによると再び生きて相見ることはできないかもしれないのである...
山本周五郎 「落ち梅記」
...そればかりか、織田(おだ)の領地(りょうち)のほうでは、伊那丸(いなまる)をからめてきた者には、五百貫(かん)の恩賞(おんしょう)をあたえるという高札(こうさつ)がいたるところに立っているといううわさである...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そればかりか、その時ふと耳についたのは、パチパチとはぜる内部の火の音ではなく、まさしく数十人の人足(にんそく)とおぼえられる物おとが、小屋の外部を嵐(あらし)のごとくめぐっている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いやそればかりか...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
...そればかりか、翌朝は、甘ったれた小僧のように、にんじんは、寝床(ねどこ)を離れる前に食事をする...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...そればかりか、教会へ懺悔をしに行くことも、聖餐にあずかりに行くことも許されなかった...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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