...それはともかくも...
芥川龍之介 「俊寛」
...それはともかく、やがて、火事さわぎがしずまりますと、大鳥氏と支配人は、大急ぎでもとの奥座敷に引きかえしました...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...それはともかく、がらあきなのにつけ込んで私は上り込み、そこで楽屋の内部をはじめて堪能(たんのう)するほど眼に収めることができた...
高見順 「如何なる星の下に」
...お年がお年ですから大がいに遊した方がよう御座いませう……それはともかく...
田澤稲舟 「五大堂」
...「しかし、それはともかく、」と甥は、深い疑惑の念をもって彼をちらりと眺めながら、再び言い始めた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それはともかくとして...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...足袋の始末をしなかったのが手ぬかりだが、俺はもうその前から曲者は浪之進と睨(にら)んで居たから、いずれにしても長い娑婆はなかったわけさ」「ところで、長崎屋の後はどうなることでしょう親分」「安心しろよ、お前を聟に欲しいとは言わないだろう」「へッ、気になりますね、それはともかく、和蘭(オランダ)の銭を持って居たのは飛んだ仕合せでしたね」「鍋蓋(なべぶた)という道具には気がつかなかったよ、――いや、恐ろしいことだ、――尤も、あのとき和蘭の銭を投げるために十手を左手に持ち換えたのをあの浪人者が気が付かなかったのは天罰さ」平次はつくづく自分の特技に慢じてはいけないと反省した様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それはともかく、井伊内閣による通商条約締結とともに朝廷の攘夷はもはや祈願たることをやめて、まず前出の示命(安政五年正月)となり、ついで条約不許可勅令(三月)、さらに八月八日の水藩以下への「密勅」となった...
服部之総 「尊攘戦略史」
...それはともかく藩士尊攘派にとっては...
服部之総 「尊攘戦略史」
...それはともかく景況を伺って置きましょう...
久生十蘭 「湖畔」
...「それはともかくとして……どうだい...
久生十蘭 「春雪」
...はたして彼が、アカーキイ・アカーキエウィッチに外套の必要なことをそれと察してくれたのか、それとも自然にそういうことになったのか、それはともかく、これで彼の懐ろには二十ルーブルという余分の金が生じたわけである...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...それはともかく、私は実はドストエフスキーを読みたいのだ...
北條民雄 「覚え書」
...「それはともかく――」と話手の一人は反対にさへぎつた...
牧野信一 「ブロンズまで」
...それはともかくとしてこんなにロシアの人民は食べるものにも困っているのに...
三浦環 「お蝶夫人」
...それはともかく十分に日本的であるということができるであろう...
三木清 「読書遍歴」
...それはともかくも...
森鴎外 「渋江抽斎」
...さて、それはともかく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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