...それはそうとして...
石川欣一 「可愛い山」
...「それはそうとして...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...それはそうと、私にはどうも腑に落ち兼ねるんだが、なんだってあなたは私なんぞを、打明け話の聽き役に選ばれたんですか?……」「私は何もあなたのことを……怒らないでください、何もあなたのことを言ってるんじゃないんです……」とパーヴェル・パーヴロヴィチは眼を落として、呟くように言った...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...それはそうと、アレクセイ・イヴァーノヴィチ、飛びきり滑稽な逸話を一つお聞かせしましょうか...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...さあ、もう一杯だけでたくさんだ、イワン、びんをかたづけてくれ、それはそうと、わしがあんな無茶なことを言っていたのに、なんでおまえは止めてくれなかったのだ……それは嘘だとなぜ言ってくれんのじゃ、イワン?」「自分でおやめになると思ったものですからね」「嘘をつけ、おまえはわしが憎くて止めてくれなんだのだ、ただ憎いからなんだ、おまえはわしをばかにしておるのだ、のこのこわしのところへやって来て、わしの家でわしをばかにしておるのだ」「だから僕はもう行きますよ、お父さんはコニャクに飲まれてしまったのですね」「わしはおまえに、どうか後生だから、チェルマーシニャへ……一日か二日でよいから、行って来てくれと、あれほど頼んでいるのに、おまえは出かけてくれんじゃないか」「そんなにおっしゃるなら、明日にでも出かけますよ」「なんの行くものか、おまえはここにおって、わしの見張りがしていたいのだ、そうだとも、それだから行こうとしないのだろ、この意地悪めが!」老人は容易に静まらなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...牧者も一人でなくちゃならないからな……それはそうと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それはそうと、今晩何か御馳走をおしよ...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...それはそうと、もうかなり時がうつりました、それではそろそろ長浜へ向って出かけることと致しましょう」と言って、木の枝に程よく吊(つる)した提灯(ちょうちん)を取下ろすべく、賢母が腰を上げて手をのばしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「それはそうと、先刻(さっき)の話の切りを付けましょう、千種(ちぐさ)さんは何(ど)うじゃな――」先刻(さっき)から隅の安楽椅子(いす)に凭(もた)れて、黙って一座の「殺人論」を聴き入って居る名記者、千種(ちぐさ)十次郎の方へ鉾先が向けられました...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...……それはそうと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「……それはそうと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...とても陸尺なんぞの書ける字じゃねえ」ドッと笑って、「それはそうと、こいつの始末はどうします」「かまわねえから、ぐるぐる巻にして隅っこへころがしておけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...植溜から灰会所(はいかいしょ)のかどを曲って新大橋のたもとまで来かかると、なにを思ったか、顎十郎は、急に口をきって、「それはそうと、おれは甲府から出てきたばかりの山猿(やまざる)で、船送りなんてえものを見たことがないが、船送りというのは、いったいどんなことをするものだ」「べつに変ったこともありませんが、たいてい朝の六ツか七ツ半ごろ、囚人を伝馬町(てんまちょう)の牢からひきだして駕籠に乗せ、南と北の与力と同心がおのおの二人ずつ八人がつきそって御浜(おはま)か永代橋(えいたいばし)、さもなければ蠣店(かきだな)か新堀(しんぼり)、そのどこかの河岸まで持って行きますと、御船手からさしまわした送り船がもうそこへきて待っている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それはそうと、このままお別れするのもなんですから、ごいっしょに夕食でもいかが...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...「それはそうと、新婚旅行の久我夫婦は、昨夜無事に発っていったかね」「ふん、一等になんか乗りこんでね、溌剌たる威勢でしたよ...
久生十蘭 「金狼」
...ブランデルそれはそうとあの葡萄はどうしたのだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それはそうと、メロンはおいしいことね」「いまにアメリカへ行くと、毎朝きまって食べさせられるのだ」二人はなんの意味もない話をして食事をしている...
森鴎外 「普請中」
...それはそうとはいわず...
吉川英治 「新書太閤記」
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