...あなたには今はおわかりにならないかもしれませんけれども……それにしてももう五時...
有島武郎 「或る女」
...それにしても、中々気の利いた芸当で、集って来た群衆も大いに迷わされたらしく見えた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...「それにしても、エジプトの巻き物が助かったのは、ありがたいです...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...それにしても、この下手人は、一体全体、どの様な魔法を心得ていたのであろうか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それにしても、きみはあのカブトムシのおばけが、こわくなかったのかね...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...それにしても先生たちは共和革命になぜ同調的だったのですか」これも俺の知らない将校の質問だった...
高見順 「いやな感じ」
...……しかしそれにしても佐喜の浜の鍛冶の母を呼うで来いと云ったのは不思議である...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...それにしても何町何番地のどの家のどの部分に烏瓜の花が咲いているということを...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...それにしても我が国婦人の服装たるやなんと脆い感じのするものだらう...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...それにしても彦徳の源太が女とは気が付かなかったよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それにしても、南の果ての屋久島へ行くのはいゝが、病妻や、両親を捨てて行くには、相当の用意もしなければならないと考へてゐたのだ...
林芙美子 「浮雲」
...それにしてもこの一年足らずのうちに...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...それにしても親父の寝言は...
牧野信一 「極夜の記」
...だが、それにしても、その場合の惨めな自分の恍惚状態を、私は貴重と選ばうとするのを吾ながら寧ろわらはずには居られなかつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...それにしても乱暴なはなしで...
山本周五郎 「桑の木物語」
...しかしそれにしても武田の残党(ざんとう)を根だやしにするつもりである敵の本城地に...
吉川英治 「神州天馬侠」
...それにしても、脇坂隼人は伝十郎の手をもぎ離すと、傍らの岩に腰うちかけて、悠々、兜の緒(お)をむすび直し、さて落した槍を拾いとると、ふたたび真紅(しんく)の母衣(ほろ)をひるがえして、敵の中へ駈け入ったという...
吉川英治 「新書太閤記」
...まるで見えなくてよ」「散歩かしら」「それにしても...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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