...それにしても木村が赤い着物などを着ているのはあんまりおかしい……」ふと葉子はもう一度赤い着物の男を見た...
有島武郎 「或る女」
...それにしても、王老師は、どうしていられるのか...
海野十三 「大使館の始末機関」
...それにしても人骨である限り...
海野十三 「蠅男」
...それにしても、乞食とは、なんという思いきった変装でしょう...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...それにしても洋行前の忙しいなかからわざ/\不用の書物一冊返しに来た内田氏の几帳面なのには...
薄田泣菫 「茶話」
...しかしそれにしても...
太宰治 「男女同権」
...それにしてもここに来ている若い娘や女房たちはどうするのだろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...もっとも、手はまた生えてくるものらしいが、それにしても、手を落してゆくくらいなら、初めから、鋏を開いて、マッチの棒だけを捨てればよさそうなものだ...
豊島与志雄 「波多野邸」
...それにしてもあの小男が槍を使うのは至極の精妙...
中里介山 「大菩薩峠」
...それにしても、何たる「爺さん」との宿縁ぞや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それにしてもあの爺さんはどうしたんだろう...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...まだ六月になつたばかり、暑さは例年にないと言はれましたが、それにしても、眞晝の大夕立は滅多にないことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だが、それにしても、何とよく降る雨なのだらう...
林芙美子 「浮雲」
...だが、それにしても、ラノン海賊は、よく戦ったものである...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...それにしても清一の口から自分の消息を聞いて...
牧野信一 「渚」
...それにしても一たい何処へ行ったんだろう...
室生犀星 「三階の家」
...それにしても、このごろになって私に判ったのは、この行事がそんなに旧くないということである...
柳田国男 「故郷七十年」
...随って矢代の入社も今は他のことは考えず、東野個人の顔を立てれば良いという簡単な処理で決定する風なものだったが、それにしても、絶えず父の死の記憶の蘇って来る久木会社へひたることは、人には語れぬ苦痛の焔を背中に燃しつづけるようなものであった...
横光利一 「旅愁」
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