...それでいて、葉子の心の一部分はいたましいほど醒(さ)めきっていた...
有島武郎 「或る女」
...それでいて、山岸中尉は、ちゃんと操縦桿を握りしめていた...
海野十三 「宇宙戦隊」
...それでいてどこか快い様な感じで打鳴らされていた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...それでいてこれは凡(およ)そ自信とは無関係と考えます...
太宰治 「虚構の春」
...それでいて物事が面白くなかった...
田中貢太郎 「庭の怪」
...それでいて伝わってくる言葉は間違いようがなかった...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...それでいて、ちっとも瘠せませんのよ」とナヂェージダは海水で塩辛くなった脣を舌先で清める一方、顔見知りの人々の挨拶に笑顔で応えながら言った、「昔から肥ってはおりましたけど、近ごろまた肥って来たような気がしますの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それでいて妙に蒼白く冴えて見えた...
豊島与志雄 「操守」
...それでいて何処かに皮肉な挑戦的な調子を含んだ...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...それでいて実際は金がやりたくないんだから...
夏目漱石 「明暗」
...それでいて、室の中には電灯は煌々と輝いているのです...
平林初之輔 「祭の夜」
...それでいて何んともいえずなつかしい...
堀辰雄 「幼年時代」
...それでいてがん張っているような顔も可笑しくすることでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それでいて深い深い心のある鳩のような声でクウーと云って見たい心持です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのくせ、それでいて、遠いきりかと云えば、ことによってはやはりそれなり近いのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...……いくら考えても考えても……その結論が、私も男に生れて来ていればよかった……と言った、まるで、わかり切った、それでいて、今更どうにもならない結論に来れば、世話は無いわ...
三好十郎 「好日」
...それでいて馴れやすい目をもった女は...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...それでいて剣法は上手...
吉川英治 「剣難女難」
便利!手書き漢字入力検索