...それでいて、絶えずだれかに監視されているように思われるの...
江戸川乱歩 「影男」
...それでいて頭の芯のどこかが妙に冴え切ってとろとろとしては...
橘外男 「逗子物語」
...それでいて用心ぶかい足音が...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...それでいて実に陰惨でグロテスクな光景もよくできている...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...それでいてやはり真剣な心地だった...
豊島与志雄 「反抗」
...それでいて勇猛だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...如何にも植民地の場末と云った感じの・頽廃(たいはい)した・それでいて...
中島敦 「環礁」
...それでいて夫に満足している細君であった...
夏目漱石 「明暗」
...それでいて夜は以前のような放蕩をくりかえしたといっています...
浜尾四郎 「死者の権利」
...それでいて彼は弁舌が達者で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それでいて探偵小説としては実に面白い...
平林初之輔 「現下文壇と探偵小説」
...それでいて全然見知らないような感じのする部屋の中に...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...それでいて何を話しているのか聞いてやろうとすると...
堀辰雄 「三つの挿話」
...……それでいて、そのふと見過ごしてきた首のない馬頭観音の像が、何かのはずみで、ふいと、そのときの自分の旅すがたや、そのまわりの花薄(はなすすき)や、その像のうえに青空を低くさらさらと流れていた秋の雲などと一しょになって、思いがけずはっきりと蘇(よみがえ)ってくるようなことがあったりする工合が、信濃路ではたいへん好かった...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...それでいて柔和そうな男でした」「何んな人相のやつかね? 自動車の種類は? 車体番号は見ませんでしたか」「ちょっと待って下さい」立て続けの質問にベエコンは魔誤付いて...
牧逸馬 「双面獣」
...それでいていつになくびくびくしているのに気がつきました...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...それでいて、女と見りゃ、誰彼なしに、直ぐにいやらしい真似をする...
三好十郎 「好日」
...それでいて、私はその瞳の中から柔かい言葉を、いくつか囁かれたような気がしたのであった...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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