...それでいておいらの仲間だと言えるかよ...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...それでいて何となく満足そうな豚の鳴声が夢の様に聞えて来ます...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...それに彼女は、ふだんはずいぶんやさしいおとなしい女であるのだが、それでいて、なかなかに意地もあり張りもある女である...
大杉栄 「男女関係について」
...それでいて、サザンプトン街との交叉点からみたストランド街の風景は、六十年一日のように、背景に聖メリーの尖塔がくっきり青空にそびえているのである...
妹尾韶夫 「「ザイルの三人」訳者あとがき」
...授業がはじまる迄(まで)は、子供のおもちゃの紙飛行機をぶっつけ合ったり、すげえすげえ、とくだらぬ事に驚き合ったり、卑猥(ひわい)な身振りをしたり、それでいて、先生が来ると急にこそこそして、どんなつまらぬ講義でも、いかにも神妙に拝聴しているという始末...
太宰治 「正義と微笑」
...それでいてちゃんと独立している無気味な文体...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...それでいて俳優と交際することを好み...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それでいて彼は平気にのらくらしている...
夏目漱石 「それから」
...それでいて彼は彼女の前にわが父に対する非難がましい言葉を洩(も)らさなければならなかった...
夏目漱石 「明暗」
...それでいて夜は以前のような放蕩をくりかえしたといっています...
浜尾四郎 「死者の権利」
...それでいて意地悪な様子で眺めやった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...それでいて充分に描き手を楽しませる模様を描いては...
堀辰雄 「幼年時代」
...それでいて心の中では...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...それでいて先生はまた実によく書物を読んでいられる...
三木清 「西田先生のことども」
...それでいてあなたは戯曲を書いている...
三好十郎 「恐怖の季節」
...それでいて監督がかなり厳しかったのだから...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それでいて、あんなにピカピカしているんだから、どうも、本来のきれい好きと、暮し上手は、男の方が、まさっているんじゃないかと思われもする...
吉川英治 「押入れ随筆」
...それでいて力強い...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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