...時しも、鬱金(うこん)木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜(ひとしも)くらった、大角豆(ささげ)のようなのを嬉しそうに開けて、一粒々々、根附だ、玉だ、緒〆(おじめ)だと、むかしから伝われば、道楽でためた秘蔵の小まものを並べて楽しむ処へ――それ、しも手から、しゃっぽで、袴(はかま)で、代書代言伊作氏が縁台の端へ顕(あら)われるのを見ると、そりゃ、そりゃ矢藤さんがおいでになったと、慌(あわただ)しく鬱金木綿を臍(へそ)でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わずかに痩莢(やせざや)の豆ばかりここに残った所以(ゆえん)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...「そりゃア、そうですとも」僕は勢いよく答えたが、実際、その時になっての用意があるわけでもないから、少し引け気味があったので、思わず知らず、「その時ア私がどうともして拵(こさ)えますから、御安心なさい」と附け加えた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...Qのからだはかみそりの刃(は)のようにするどいので...
海野十三 「金属人間」
...「そりゃすばらしいですね...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...椅子にそりかえって嘲笑(ひやか)すように声をかけた...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...否ですか應ですか?」「そりゃ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「そりゃきっと面白いでしょうね」とヴェリチャーニノフは言葉を插んだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...引緊った細そりした顔立ちに...
豊島与志雄 「擬体」
...美津子さんはますますひっそりと...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...あの時「そりぁ万歳だ」といった岩波さんは...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...僕は既に自分を笑っているんだから」「そりゃ...
夏目漱石 「それから」
...幾月剃刀(かみそり)を當てないのか月代(さかやき)は石川五右衞門ほど伸びて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そりゃ喜んで居ましたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そりゃ随分気障(きざ)よ...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...その両親のヒッそりとせし闇の中に咽(むせ)べるを聞き...
宮崎湖処子 「空屋」
...盛んにこっそりもくろんでおります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こつそり大塩の屋敷を出た...
森鴎外 「大塩平八郎」
...友人以上の情をもって交わっている」「そりゃあ...
吉川英治 「三国志」
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