...木の葉のさらさらとそよぐ音にも...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...舌そよぐの観がある...
太宰治 「碧眼托鉢」
...そよぐ白楊(はくよう)と巻きあがる馬糞の粉と...
谷譲次 「踊る地平線」
...闘牛児居即詠・ひとりで生え伸びて冬瓜の実となつてゐる花柳菜たくさん植えて職が見つからないでゐる垣根へ□□げられた芙蓉咲いて・朝の茶の花二つ見つけた・菊一株のありてまだ咲かない可愛い掌(テ)には人形として観音像すこし風が出てまづ笹のそよぐ子供むしつては花をならべる日を浴びて何か考へてござる紅足馬居即事お約束の風呂の煙が秋空へ・夕顔白くまた逢うてゐる十月廿二日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...・青葉そよぐ風の...
種田山頭火 「其中日記」
...家いつぱいに昇る日をまともに郵便を待つ・たづねてくれるみちの草だけは刈つておく・郵便やさんがきてゆけばまた虫のなくすこし風が出て畳へちつてくるのは萱の穂・ひとりひつび(マヽ)り竹の子竹になる・うれしいこともかなしいことも草しげる・生きたくもない雑草すずしくそよぐやあをあをと竹の子の皮ぬいでひかる・竹の子竹となつた皮ぬいだ・竹の子伸びるよとんぼがとまる七月二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...悼(厳父を失へる白雲兄に)・ゆふ風の夏草のそよぐさへ(父を死なせた友に) 山頭火合掌・ゆふべすゞしくうたふは警察署のラヂオ・炎天の蓑虫は死んでゐた・蛙よわたしも寝ないで考へてゐる・いつまで生きる竹の子を竹に(改作)・炎天...
種田山頭火 「其中日記」
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アルフレッド・テニソン 坪内逍遙訳 「シャロットの妖姫」
...そよぐ木の葉か?……それとも...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...風そよぐ運河の岸の叢(くさむら)に並んでねころぶときにも...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...しかしまた田圃づたいに歩いて行く中水田(うちみずた)のところどころに蓮(はす)の花の見事に咲き乱れたさまを眺め青々した稲の葉に夕風のそよぐ響をきけば...
永井荷風 「すみだ川」
...あたりは寂(しん)として枯蘆のそよぐ音も聞えないのは...
永井荷風 「元八まん」
...(その八)此夏もくれて秋は荻の葉に風そよぐ比も過ぎぬ...
一葉 「暗夜」
...浅緑梨の若葉のそよぐ頃轎して入りぬ千山の渓湯崗子温泉から東方五里の処に千山がある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...四月風にそよぐ樫(かし)の生命力だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...または汽車の過ぎた後で罌粟(けし)が散るとか薄(すすき)がそよぐとか言うように他物を配合すればいくらか見よくなるべく候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...胸にそよぐ長髯(ちょうぜん)は刀の鍔(つば)まで垂れていた...
吉川英治 「剣難女難」
...それを遠景として船室の窓からは僅かに濁つた水とそれにそよぐ葭と兩岸の堤とそれらを煙らせてをる微雨とのみがひつそりと眺めらるゝ...
若山牧水 「水郷めぐり」
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