...二十三号じゃありませんの」まったくその通りであった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...また今でもその通りだ...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...ほんとうに御親切なお方ね、あなたというお方は……」兵馬は何とも答えないで、テレきっていると、ニタリニタリ笑っていた仏頂寺弥助が、傍から口を出して、「宇津木、何とかいえよ、この御婦人が、お前を恨んでいらっしゃる」「恨まれるほどのこともないのだ、偶然道づれになって、向うは足が遅いし、拙者の方は少し早いものだから、それで、途中、別れ別れになってしまったまでのことだ」というと、女が少し乗り出して来て、「そりゃ、それに違いありません、あなたがお足がおたっしゃで、わたしは生れて初めて草鞋(わらじ)というものを着けたような弱い女なんですもの……それを打捨っておいでなすったのですから、あたりまえのことですわ、足のたっしゃなお方が先に立って、足の弱いのが残されるのは、ほんとうに、あたりまえ過ぎるほどあたりまえのことなんです、どうしてお恨みなんぞ致すものですか」仏頂寺がそれを聞いて、しきりにうなずいて、「その通り、その通り、足のたっしゃな者が、足の弱い者を置去りにするのは、あたりまえすぎるほどのあたりまえだ、そうでなかった日には……」仏頂寺は女の方に向き直って、「時に御婦人、申し後(おく)れたが、拙者はこれなる片柳兵馬の友人で、仏頂寺なにがしと申す亡者でござるが、以来お見知り置きを願いたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...全くその通りと思いますわ...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたくしだとて、その通り、あの方の涙を堰(せ)きとめるほどの力は、とうてい持合せがございませんのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...その通りであったわい...
中里介山 「法然行伝」
...想像が一通り)風俗画の方もその通り...
夏目漱石 「創作家の態度」
...実にその通りだ」と主人は無暗(むやみ)に感心している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「その通りさ、あの女は生れ付きの悪党だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そっと抜出して片付けたって誰も気が付きゃしませんよ」「それはその通りだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸へ持込んだところまではわかっている――その通り二千両づつ納めた金箱が五つあるくらいだから」「――」「そのうち一箱...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その通りよ」「そりゃまあ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その通りに腕を振り動かせているのであった...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...ダラコの方は今でもその通りである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その通りの場面を五人組みに作って頂けますまいか...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...そっくりその通りを小説の中味に採用していやがるのには呆れ返った...
夢野久作 「近世快人伝」
...それはその通りですが」「かたがた...
吉川英治 「私本太平記」
...二彼はにんじんで通っているが、その通り方は、ひと通りではない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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