...お父様のお帰りで其儘(そのまんま)になつたつけが...
石川啄木 「鳥影」
...不思議なくらゐそのまんま出てゐるやうに思はれます...
太宰治 「右大臣実朝」
...それが、どうだ、八重田数枝のとこに、ころがりこんで、そのまんま、何もしやしない...
太宰治 「火の鳥」
...そのまんまいってしまってかえってきたのは九つ近く...
正岡容 「小説 圓朝」
...「じゃちょいといってきます阿母さん」もうそのまんま土間へ下り立っていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...「…………」もうそのまんま今松はなんにも言えなくなってしまった...
正岡容 「寄席」
...あげくのはてが自分の心をおもちゃにしてクルリッともんどりうたしてそれを自分でおどろいてそのまんま冥府へにわかじたての居候となり下る...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...教えてもらって別に口を利くでもなくお互に悲しい様な笑をなげ合ってその日はそのまんま帰って仕舞った...
宮本百合子 「M子」
...そのまんま又仰向けに臥てしまった...
宮本百合子 「からたち」
...そして、偶然町の大きな祭りの日に、人々の群がり集まる中で始めて相逢うや、すぐ、そのまんま、最も緊密に結びつき知り合い契り合ったので、それ以来、何ものも我々二人にとって、お互い同士ほどに近いものはなくなったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それからこの家(うち)を出られたのですがそのまんま九段へも帰られないのだそうです」「若先生は生きておられるのですか」と私は畳みかけて問うた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...そのまんまにしといたんです...
夢野久作 「難船小僧」
...そのまんま宙に浮いているような気もちよ...
夢野久作 「ココナットの実」
...ヤングがそのまんま逃げて行ったのじゃないかと思ってね……だけど...
夢野久作 「支那米の袋」
...そのまんま吾輩に引渡したものだから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そこいらがだんだん薄暗くなって気が遠くなって行くようなアンバイで……そのまんま引っくり返(けえ)っちゃったらしいんです...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...そのまんま目を眩(まわ)しちゃったかも知れませんね...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...そのまんまにしています...
吉川英治 「小説のタネ」
便利!手書き漢字入力検索