...一枚繰(く)った戸がそのままになっているので...
有島武郎 「星座」
...態とそのままにして置きました...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...子供の心からそのままに延びてきた一元論であって...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...いやしい人間のまねをする者はそのままにしてはおかれない」と...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...死んだレイニンが生きていたときそのままに眼をつぶっていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...書き割りを背にして檜舞台(ひのきぶたい)を踏んでフートライトを前にして行なって始めて調和すべき演技を不了簡(ふりょうけん)にもそのままに白日のもと大地の上に持ち出すからである...
寺田寅彦 「映画時代」
...私はその瞬間に経験した不思議な感じを三十年後の今日でもありありとそのままに呼び返すことができるように思う...
寺田寅彦 「蓄音機」
...(余の友人板倉氏の説に国貞の風俗画の佳良なるものは歌麿の画題と布局とをそのままに模写したるもの多しとぞ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...そのままにして置くと...
中谷宇吉郎 「「霜柱の研究」について」
...適当な実験助手が得られなくてそのままになっていた...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...訴え出ないのだ」返事によってはそのままにはおくまじき切迫した気もちが衣川の顔をおおう...
浜尾四郎 「正義」
...そのままに残っている...
久生十蘭 「あなたも私も」
...文三が憤々(ぷりぷり)しながらそのままにして行過ぎてしまうと...
二葉亭四迷 「浮雲」
...特に記号としては勾とか股とかいうごとき漢字をそのままに記して用うることができるのであるから...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...そのうち私の方がよくなったのでそのままになって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ケースをポケットに入れてしまう)佐山 ……(出しかけた手をそのままにして...
三好十郎 「胎内」
...自身の心にも時がたつままに思い出されることの多い源氏は、感情そのままに、恋しい、どうかして逢(あ)いたいというのを遠慮しないではならない親であったから、実際問題として考えてもいつ逢えることともわからないので悲しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々は現代においてもそのままに通用するごとき「十七条憲法」の光輝ある道徳的訓誡を...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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