...そぞろに心寂しく...
伊藤左千夫 「廃める」
...気もそぞろに眺めたことです...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...気もそぞろに駈け上る...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...ただまえに挙げた『増(ます)かがみ』のものがたりをあたまにおいてかまくらの初期ごろにここで当年の大宮人(おおみやびと)たちが四季おりおりの遊宴をもよおしたあとかとおもうと一木一石にもそぞろにこころがうごかされる...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そぞろにその行方(ゆくえ)をうちまもりぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そぞろに進んで行くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...「そぞろに覚ゆ蒼茫万古(そうぼうばんこ)の意...
中里介山 「大菩薩峠」
...駒井はそぞろに微笑を禁ずることができなかったけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...そぞろに巨人の面影(おもかげ)を認めずにはいられなかったようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああ狼のきたるによりわれはいたく怖れかなしむわれはわれの肉身の裂かれ鋼鐵(はがね)となる薄暮をおそるきけ淺草寺(せんさうじ)の鐘いんいんと鳴りやまずそぞろにわれは畜生の肢體をおそる怖れつねにかくるるによりなんぴとも素足をみずされば都にわれの過ぎ來し方を知らずかくしもおとろへしけふの姿にも狼は飢ゑ牙をとぎて來れるなり...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...そぞろに懐旧の涙(なんだ)の禁(とど)めがたきを奈何(いかに)せん...
福田英子 「妾の半生涯」
...「火には捲かれずとも、こんな寒さに、屋外(そと)をうろうろしていたら、大事な坊やに、風を引かせてしまいます――誰か、早く、さがして来て――」と、妻女は、なおも、気もそぞろに、「女中たちは、どこにいるのやら――女たちの、立ち退き場所へ行ったなら、坊も乳母も見つかるでしょう――早う、行って見て下さらぬか!」一三母親は、きょろきょろと、あたりを見まわしながら、いかに広海屋がなだめても、しずまろうともせぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そぞろに哀れを催しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やや睡気ざましをそぞろに感じた...
室生犀星 「とかげ」
...そぞろに怖れを感じた...
横光利一 「旅愁」
...孫権はもう心もそぞろに...
吉川英治 「三国志」
...そぞろに身内に湧く興趣に心をときめかせてなお聴いていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...田から田に落ちているかすかな水のひびきもそぞろに秋を思わせる...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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