...悠悠としかも厳粛にそそり立つてゐたのに違ひない...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...石墨山などの連峯が屏風のやうにそそり立つてゐる形は...
安倍能成 「初旅の残像」
...高々とそそり立つ名物の「香い桜」...
有島武郎 「星座」
...嵐、凪(なぎ)、霧、雨、雪、花、季節による色彩のうつり変り、穏かな河、とどろく滝、飛ぶ鳥、跳ねる魚、そそり立つ峰、深い渓谷――自然のすべての形相は、単に嘆美されるのみでなく、数知れぬ写生図やカケモノに描かれるのである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...右側はそそり立つ急坂となり...
梅崎春生 「幻化」
...赭土のたかい崖がそそり立つてゐて...
太宰治 「道化の華」
...河のこちら岸には一面の灌木に繞(かこ)まれた大丘陵がそそり立つ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...蔦葛(つたかずら)生い茂った薔薇色の円柱林立して空を圧して公会堂風の大建築物がそそり立つ!しかもそこに至るまでの両側の家々の扉の陰...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...黙々としてそそり立つ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...中之嶋から船場(せんば)方面に近代的建築が続々そそり立つようになり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...眉にはいくつもの月に向かって幻想的にそそり立つ山脈に舞う雪が――ああ...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...左手にはそそり立つ大杉一幹(ひともと)...
中里介山 「大菩薩峠」
...南の方にそそり立つ山の一つをさして...
中里介山 「大菩薩峠」
...そそり立つ巨大なる一本の木柱を見出した時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...浜辺近くそそり立つてゐる丘の上には白い灯台が曇つた空へくつきりと浮き立つてゐる...
林芙美子 「幸福の彼方」
...彼の立青眼はそそり立つ峰か...
吉川英治 「剣難女難」
...×そそり立つ神代杉(じんだいすぎ)の真っ黒な影が...
吉川英治 「剣難女難」
...海のそばといふ私の言葉には直ぐ浪うち際の岩の上にでもそそり立つてゐる所を想像してゐたのであつたが...
若山牧水 「岬の端」
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