...兎の糞は私の山登りする事のなかに見出さるる最も興味をそそるものの一つである...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...波のしぶきは彼女の体に降り濺(そそ)ぐ...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...浮気な男心をそそるに充分な魅力を見せて居りました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...暗い瓢箪池の方へそそくさと逸(そ)れたのであった...
高見順 「如何なる星の下に」
...長者の女はこの噂を侍女の口から聞いて心をそそられた...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...それ自身だけに任せておくととかく立ち枯れになりやすい理論に生命の水をそそぎ...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...兄に唆(そその)かされて行った頃の暗い悲しい心持などは...
徳田秋声 「あらくれ」
...秋の雨しとしとと降りそそぎて...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...祈祷などになると心血を濺(そそ)ぎ...
中里介山 「大菩薩峠」
...なお貪婪(どんらん)そうな眼つきを悟浄のうなだれた頸筋(くびすじ)に注(そそ)いでおったが...
中島敦 「悟浄出世」
...ミーファが下級将校をそそのかして盗ませ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...先代写しに日常そそっかしくはなりまさってきていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...これをもそそのかして...
正岡子規 「車上の春光」
...そそくさと帰っていった...
松本泰 「日蔭の街」
...やはり学生の手紙と同じ哀れをそそります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...手早く口を漱(そそ)いて顔をあらい...
山田美妙 「武蔵野」
...軍需の蓄積に全力をそそぎ...
吉川英治 「三国志」
...知多(ちた)半島の海へ注(そそ)いでいる...
吉川英治 「新書太閤記」
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