...それはそそっかしい親友A――の筆蹟にちがいないと話して安心をさせました...
海野十三 「三角形の恐怖」
...そそけた灌木にとり囲まれた池のほとりに出て来た...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...じっとそそいでいた...
高見順 「いやな感じ」
...若い者をそそのかし...
太宰治 「新ハムレット」
...ぼくは、あなたのことを、感傷的な形容詞で一杯、書き散らしていたところですから、なにか照れ臭(くさ)く、まごまごすると、慌(あわ)てて手帳をベッドの上の網棚(あみだな)に、抛(ほう)りあげ、そそくさ、部屋を出て行きました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...凡そそうした原始的な認識作用の近代的な形態が...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...悩みと反発心とをそそられる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今でも神尾の好奇心を嗾(そそ)るに充分であることはわかっているのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...この曲の描いた降りそそぐ雨と...
野村胡堂 「楽聖物語」
...そそくさと草鞋(わらじ)を脱ぎます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少なくとも彼をそそのかして高等法律大学を志望させるまでに重要な働きかけをしたことになる...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そそくさと出て行った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...そのあこがれに対って妻が絶えずその目をそそいでいることも...
室生犀星 「みずうみ」
...何か化粧下のようなものを小布(こぎれ)にそそぎかけて...
吉川英治 「江戸三国志」
...追っかけに抛り上げたいような狂躁にも唆(そそ)られる...
吉川英治 「銀河まつり」
...必ず粗相(そそう)のないように」と...
吉川英治 「三国志」
...(この敗辱をそそがでやあるべき)と...
吉川英治 「三国志」
...なんとなく食慾をそそられるような思いがする...
笠信太郎 「乳と蜜の流れる地」
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