...そこかしこに点々と輝く鏡のような五湖の冷たい水の光を鏤(ちりば)めて鮮かにも奇怪な一大裾模様を織りなし...
大阪圭吉 「闖入者」
...落ちつかぬ気持でそこかしこを歩き廻ったことのある人なら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...吾人の残務はただそこかしこの小さい穴を繕うに過ぎぬと考えればプランクの説はもっともと思われる...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...アフリカ系の特徴がそこかしこに見て取れる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...しなびた草がそこかしこに生え散らかっていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そこかしこで話合いをし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...今日は吉日で婚礼そこかしこにあり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そこかしこに咲いているにかかわらず...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そこかしこを装飾している光景は...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...復興遂に成らずとつたへらるる花巷焦土のそこかしこは大正震禍直前の見番草創当時の大武蔵野の景色にかへつて待合料亭のセメント造りの築山のあとそこかしこに...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...お湯屋……髪結床……水茶屋……そこかしこで...
正岡容 「小説 圓朝」
...そこかしこ八つ橋を挟んで咲きみだれていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...そこかしこはらひもせぬにや塵ひぢ山をなせり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...そこかしこに愛人を持つ源氏であることを思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...殖えるにしたがって城中のそこかしこに植え移してあった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...水に浸(ひた)つた繋船場(ば)の河岸(かし)の其処彼処(そこかしこ)で黒い山高帽の群(むれ)が朝早くから長い竿を取つて釣をして居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そこかしこから「……おおうい」と...
吉川英治 「私本太平記」
...そこかしこに大きな壁龕があって...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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