...そうでなければ……それは……愛のないそれは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そうでなければ少年のあたまでそういうことを理解されるのはむずかしかろうとおもいますが...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...みんな裏ぎりの一味の者かそうでなければ上方ぜいのひと/″\ばかりなのでござりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...そうでなければ、詩だか画題だか格言だかわからなくなる...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...そうでなければ之に反動的な役割を容易に課すことは出来ない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...ということは全く問題になることは出来ない――もしそうでなければそれは相互という概念を破壊する...
戸坂潤 「科学方法論」
...もしそうでなければ大学の先生は小学校の先生よりも教育家として偉いというような妙な結論になるわけだが...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...そうでなければ生物が形態を形成したという状態――それが前の所謂形態そのものである――はあり得ないから...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そうでなければ、日本民族があれ程オリンピックに熱中する筈はあるまい...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そうでなければ細胞のオルグなどということはナンセンスになる...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...そうでなければ女中であろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうでなければ、自分たちが地獄から解放されたような心持で、従って、外なる人の言葉が、まだ地獄の底に救われない人の声のように聞きなされるのでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうでなければ清元(きよもと)や常磐津(ときわず)で腐爛(うじゃじゃ)けている御家人芝居...
中里介山 「大菩薩峠」
...道場の名残(なごり)を惜しむためか、そうでなければ、化物退治にでも来た意気込みでおとのうて見ると、応対に出るのが妙齢なお屋敷風のお松ですから、さすがの武者修行がタジタジで、「ははあ、では、あなたは机竜之助殿のお妹御でもござるか……」といってお松の顔をながめ、薙刀(なぎなた)の一手もつかうものかという思い入れをする...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが、あの子供はその重大な革命を、無邪気な放漫を以て、尋常一様の遊戯として取扱っているところが奇妙でたまりません」「なるほど――」「まあ、今度、ひとつある機会に、それとなく、あの子供のでたらめの歌を聞いていてごらんなさい、そうでなければ、管笛を弄(もてあそ)ぶところを隙見をしていてごらんなさい、節調が――音律が、言語と、文字と、思想とを、縦横に駆使する離れ業(わざ)を、当人自身に悟られないようにして、聞いてみてごらんなさい、とてもめざましいものですよ」「音律のことは、それがしには、よくわからないのですが……」といって駒井は、やはりその蘆管というものには、耳をすますことを忘れないで、「その蘆管というのは、ただの笛ですか」「蘆(あし)の幹を取って、それを一節切(ひとよぎり)のようにこしらえてみたのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことにその斬られっぷりというのが無残なもので、腹を下から裂かれたり、口だけを輪切りにされたり、前脚を二つ斬り落されて、まだビクビク息を引いていたり、真向に断ち割られて二言ともなくのめっていたり、戸にハサまれて頭を砕かれていたり、その惨澹たる、さながら、わざとした曲斬りか、そうでなければ、こういうふうに斬りこまざいて、他から持参して、わざわざここへ、こんなふうに蒔(ま)き散らして行った奴があるのではないか、とさえ想わせられました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうでなければ……」「不足どころじゃございません...
夏目漱石 「虞美人草」
...そうでなければ蕎麦粉(そばこ)などとともに練って...
柳田國男 「食料名彙」
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