...恰(あたか)も細且(かつ)強靭なる時計の弾機(ぜんまい)に触れしが如し...
芥川龍之介 「上海游記」
...弾条(ぜんまい)のきしむ音と共に時計が鳴り出した...
有島武郎 「クララの出家」
...発条(ぜんまい)のゆるんだボンボン時計の様な音が響いて来た...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...蕨やらぜんまいやら...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...・ぜんまい ・おばぜり五月三日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...濫作一聯如件・みほとけに供へる花のしつとりと露・朝風のうららかな木の葉が落ちる仏間いつぱいに朝日を入れてかしこまりました・山へのぼれば山すみれ藪をあるけば藪柑子・山ふところはほの白い花が咲いて・によきによきぜんまいのひあたりよろし・山かげ...
種田山頭火 「其中日記」
...ぜんまいや歯車はあるが金側(きんがわ)時計がない...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...私の発明したあのぜんまい仕掛の人形は...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...寸断された人間の死体がこれ等すべての首無のぜんまい人形に吸込まれ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...綿帽子着た銭巻(ぜんまい)...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...急にまたぜんまい人形みたいにぴょこんと跳ねあがる...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「デリケートな時計のぜんまいみたいなもので...
野村胡堂 「胡堂百話」
...ぜんまい仕かけで...
萩原朔太郎 「玩具箱」
...ばうばうとした虚無の中を雲はさびしげにながれて行き草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...またそのむらがる枝の葉かげに ぞくぞくと繁茂するところの植物およそ しだ わらび ぜんまい もうせんごけの類地べたいちめんに重なりあつて這ひまはるそれら青いものの生命(いのち)それら青いもののさかんな生活...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...薇(ぜんまい)仕掛で畳の上を這ふ象の玩具はガリガリと厭な音を立てた...
原民喜 「恐怖教育」
...弾機(ぜんまい)のジジジジほぐれる音が折々するだけであった...
宮本百合子 「明るい海浜」
...ぜんまいの戻った時計を振ると...
森鴎外 「百物語」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??