...弾条(ぜんまい)のきしむ音と共に時計が鳴り出した...
有島武郎 「クララの出家」
...ぜんまいを一緒に出した...
石川欣一 「飢えは最善のソースか」
...親子丼、テンプラそば、ぜんまいと、実にありふれた食物だが、飢えプラス何物かが最上のソースになったのである...
石川欣一 「飢えは最善のソースか」
...とつぜんまい下りて来たので...
海野十三 「少年探偵長」
...唯螺旋(ぜんまい)が巻いてないやうでございますね...
薄田泣菫 「茶話」
...たべる物と云えば蕨(わらび)やぜんまいの煮つけでは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...寸断された人間の死体がこれ等すべての首無のぜんまい人形に吸込まれ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...骨の代りにぜんまいでもはいってるように見える...
豊島与志雄 「囚われ人」
...ぜんまいじかけのきかいがついてゐて...
豊島与志雄 「ふしぎな池」
...薇(ぜんまい)の緑氈(せん)だが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「デリケートな時計のぜんまいみたいなもので...
野村胡堂 「胡堂百話」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...ばうばうとした虚無の中を雲はさびしげにながれて行き草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...感情のねぢは錆びてぜんまいもぐだらくに解けてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...その上に腰をかけて編物をしてゐる娘もなく煖爐に坐る黒猫の姿も見えない白いがらんどうの家の中で私は物悲しい夢を見ながら古風な柱時計のほどけて行く錆びたぜんまいの響を聽いた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...時計はぜんまいが解けてしまって七時で止っていたのです!私どもは滞潮の時刻に遅れたのです...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...弾機(ぜんまい)のジジジジほぐれる音が折々するだけであった...
宮本百合子 「明るい海浜」
...棒の先へ鋼鉄の線条(はりがね)を螺旋(ぜんまい)のように巻いて着けてあるばかりです...
村井弦斎 「食道楽」
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