...「俺(お)ら銭(ぜに)こ一文も持たねえからちょっぴり借りたいだが」赤坊の事を思うと...
有島武郎 「カインの末裔」
...氏は軽く頷いてその小銭(こぜに)をその儘自分の懐中(ふところ)に納めてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...言ってやがると砂馬慷一(すなまこういち)はその小ぜにをひったくるようにした...
高見順 「いやな感じ」
...宵越(よいごし)のぜにア持たねエ...
太宰治 「虚構の春」
...ごちやまぜになつて...
太宰治 「津軽」
...銭勘定(ぜにかんじょう)の事よりも記憶に散在している古人の句をば実に巧(うま)いものだと思返(おもいかえ)すのであった...
永井荷風 「すみだ川」
...すくえるだけのザク銭(ぜに)をすくい上げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんで極(ご)く堅(か)てえもんだから他人(ひと)にも面倒(めんどう)見(み)られて其(そ)の位(くれえ)だから錢(ぜに)も持(も)つてんでさ...
長塚節 「土」
...それでも彼(かれ)は錢(ぜに)とは明白地(あからさま)にはいはない...
長塚節 「土」
...疾(とう)から甘(あま)え切(き)つて居(ゐ)る與吉(よきち)は卯平(うへい)の戸口(とぐち)に立(た)ち塞(ふさ)がつては錢(ぜに)を請(こ)うた...
長塚節 「土」
...なぜに自分はかやうに肉体的に病み苦しまなければならないかとさへ叫んだ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...さて此男はなぜに泣いたか...
平出修 「逆徒」
...春風馬堤曲とは俳句やら漢詩やら何やら交(ま)ぜこぜにものしたる蕪村の長篇にして...
正岡子規 「俳人蕪村」
...自分が去年から幾たびか帳場の銭(ぜに)をぬすみ...
山本周五郎 「さぶ」
...陀羅(だら)ゴマ銭(ぜに)ゴマ真鍮(しんちゅう)ゴマ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...銭(ぜに)三千貫の賞を懸けて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...銭(ぜに)をめぐむ事この掲陽嶺(けいようれい)を越えれば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...地鉄(じがね)を仕入れる金がすこしばかり欲しかったものだから」「銭(ぜに)なんかもらって...
吉川英治 「野槌の百」
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