...胸毛(むなげ)の黄色(きいろ)な鶺鴒(せきれい)の雌鳥(めんどり)が含(ふく)みこぼした口紅(くちべに)のやうに浮(う)く...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...それはこの川に多い鶺鴒(せきれい)が...
泉鏡花 「怨霊借用」
...右頬を軽く支えている五本の指は鶺鴒(せきれい)の尾のように細長くて鋭い...
太宰治 「風の便り」
...去年の七月にはあんなにたくさんに池のまわりに遊んでいた鶺鴒(せきれい)がことしの七月はさっぱり見えない...
寺田寅彦 「あひると猿」
...九月初旬三度目に行ったときには宿の池にやっと二三羽の鶺鴒(せきれい)が見られた...
寺田寅彦 「あひると猿」
...三匹の鶺鴒(せきれい)がその上をば長い尖(とが)った尾を振りながら苔の花を喙(ついば)みつつ歩いている...
永井荷風 「監獄署の裏」
...鵯(ひよどり)は南天の実を啄もうと縁先に叫び萵雀(あおじ)と鶺鴒(せきれい)は水たまりの苔を啄みながら庭の上に囀(さえず)る...
永井荷風 「写況雑記」
...今まで静かであった文之丞の木刀の先が鶺鴒(せきれい)の尾のように動き出してきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...鶺鴒(せきれい)までが小さな聲で鳴きまはつて居る...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...この図は左から斜めに出た小枝に鶺鴒(せきれい)が二羽飛び下りざまに止ったところを描いてあるだけで...
藤島武二 「画室の言葉」
...鶺鴒(せきれい)が飛び交はしてゐたりしたが...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...鶺鴒(せきれい)は尾で土を叩いて手伝った...
南方熊楠 「十二支考」
...鶺鴒(せきれい)が淡い黄色を流して飛ぶ...
三好達治 「測量船」
......
三好達治 「南窗集」
...石を投げられた鶺鴒(せきれい)みたいに...
吉川英治 「江戸三国志」
...鶺鴒(せきれい)の尾のように微かに振りながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...中庭の白砂に遊んでいた鶺鴒(せきれい)がそこを覗きかけて廂の外へそれたのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...まるで鶺鴒(せきれい)のようにあたりを水だらけにしながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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