...その路をせかせか上(のぼ)つて行つた...
芥川龍之介 「点心」
...その男(おとこ)はせかせかとはずむ呼吸(いき)を鎮(しず)めも敢(あ)えず...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...おれを早くほかの町に連れ出してくれ」とジャンはせかせかとピエールの方に手さぐりで近づきました...
有島武郎 「かたわ者」
...息をせかせかとさしている六十位のよぼよぼの婆さんがひょいと乗るので...
田中貢太郎 「終電車に乗る妖婆」
...急々(せかせか)した心持をしながら...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...せかせかとわたしの手を握(にぎ)ると...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...部屋をせかせかと行ったり来たり...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...この男は、なんとなく角ばっていて、せかせかして、いらだたしそうであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...二人はせかせか急いでいて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」と、感情の、顔に出るのを、さとられまいとしながら、せかせか言った...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...前屈(まえかが)みの姿勢でせかせかと歩いている姿は...
原民喜 「冬日記」
...僕の歩きかたも少しせかせかしてくる...
原民喜 「魔のひととき」
...わたしたちはせかせか歩き出した...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...「それに妙にお前がやっておいでの朝はせかせかした落着(おちつき)がない気もちになってすぐお前が来るということが分るわ...
室生犀星 「童話」
...人は最後の列車に乗りそこなうのではないかというようなせかせかした不安定な気分にとらわれるのである...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...せかせかとせきたて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...せかせかと急がせて...
吉川英治 「大岡越前」
...もう馬をせかせか追っていた...
吉川英治 「私本太平記」
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