...ノックをするひまもないようなせかせかした気分になっていた...
有島武郎 「或る女」
...」しばらくそのせいの高い大きなからだをせかせかと小股で運ばせながら...
大杉栄 「獄中記」
...要らないことをせかせか...
太宰治 「猿面冠者」
...せかせかした口調で...
太宰治 「たずねびと」
...せかせかと型紙や白墨(チャコ)のかけらを...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「嫁入り支度」
...間もなく新調の外套(がいとう)を着た葉子がせかせかとプラットホオムへ降りて来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...それがまるでせかせかと逃亡を画策するペットでもあるかのように...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...せかせかした語調で...
火野葦平 「花と龍」
...そんなら、頼んだばい」マンは、せかせかと、玄関に出た...
火野葦平 「花と龍」
...わたしたちはせかせか歩き出した...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...いつもの用ありげなせかせかした足どりが通寺町の露路をぬけ出て神楽坂通りへかかる頃には大部のろくなっている...
矢田津世子 「神楽坂」
...中年男がせかせかと出て来た...
山本周五郎 「季節のない街」
...「それがへえじたばたのせかせかちゅうこんだ...
山本周五郎 「百足ちがい」
...こっちが手をつけないのに自分だけはせかせかと啜(すす)り...
山本周五郎 「百足ちがい」
...なんにもせかせかすることはなかった...
山本周五郎 「百足ちがい」
...せかせかと、妙にあたりをキョロつきながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...そして山門を出てゆくと、彼方からただ一人で、弓のような腰には似合わない朱鞘(しゅざや)の大きな刀を横たえて、せかせかと、息を喘(き)って来る老武士があった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかし、かすり傷じゃないから、ちょっとやそっとでは癒(なお)らない」聞いているうちに、お米はソワソワとして、容態を話すことや、薬のことも忘れたように、せかせかして、「そして、その弦之丞様は、今、どこにいるのでございましょう」「エ? 弦之丞様って、そりゃ何だい」「ア、イイエ……あの、万吉さんのことなので」と、ひとりで言い間違えて、ボッと顔を赧(あか)める態(さま)を見つめながら、源内は、「いる所を?」「はい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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