...」と一歩(ひとあし)ひきさま、暗い方に隠れて待った、あの射的店の幽霊を――片目で覗いていた方のである――竹棹(たけざお)に結(ゆわ)えたなり、ずるりと出すと、ぶらりと下って、青い女が、さばき髪とともに提灯を舐(な)めた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...一枚小袖もずるりとした...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...横足のつま先が少し低いとずるりと滑ろうとする...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...俺は顔を手でずるりと撫(な)でおろした...
高見順 「いやな感じ」
...着換える拍子にずるりと襦袢(じゅばん)を滑り落して...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...じきにずるりと脱(ぬ)けて行ってしまった...
徳田秋声 「黴」
...ずるりと火鉢の傍へ寄って来たお雪は...
徳田秋声 「爛」
...最も純粋な古典に通ずるりっぱな教師に託した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ずるりと落ちている...
中里介山 「大菩薩峠」
...ずるり引き込もうとする...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...元々開化が甲の波から乙の波へ移るのはすでに甲は飽(あ)いていたたまれないから内部欲求の必要上ずるりと新らしい一波を開展するので甲の波の好所も悪所も酸いも甘いも甞(な)め尽した上にようやく一生面を開いたと云って宜(よろ)しい...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...ずるりと一尺ばかり振(ぶ)ら下げたが...
夏目漱石 「坑夫」
...お前のその鼻水もそうだよ……」啓吉はずるりと鼻汁をすすった...
林芙美子 「泣虫小僧」
...ずるりと辷るたびに鶴子の足がヒョイと加十の尻を蹴る...
久生十蘭 「魔都」
...しまったと足を抜こうとするとまたずるりと吸い入れられる...
北條民雄 「いのちの初夜」
...ひきつづく事変によって変化した世相が文学のその課題の解決を歪めてずるりずるりと生産文学へひきずりこんだ...
宮本百合子 「おのずから低きに」
...ずるりと這い出して来たからであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...骨からずるりと滑って...
蘭郁二郎 「魔像」
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