...帯の錦は堆(たか)い、が、膝もすんなりと、着流しの肩が細い...
泉鏡花 「薄紅梅」
...……袂(たもと)が中に、袖口をすんなり、白羽二重の裏が生々(いきいき)と、女の膚(はだ)を包んだようで、被(き)た人がらも思われる、裏が通って、揚羽(あげは)の蝶の紋がちらちらと羽を動かすように見えました...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...宮川のすんなりとした身体を背広のうえから撫でた...
海野十三 「脳の中の麗人」
...すんなりしていて...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...女の姿のまた窈窕(あでやか)さ!嫋(しな)やかな首筋はすんなりと肩へ流れて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...すんなりと下にさがって来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひとたび、耳か、眼か、いずれかの器官かによって脳髄にうつったものが、時あって、口をついて現われるのは、頭脳の反芻(はんすう)とは言わば言うべきものですが、時によっては、意外なる消化をもって、全く、独創的に現われて来ることもあれば、記憶そのままが、すんなりと、暗誦(あんしょう)の形で現われて来ることもあるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...事実をすんなりと直叙したのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...すんなりと守り得られる茂太郎ではないはずで...
中里介山 「大菩薩峠」
...今度は伊太夫がすんなりと承知してくれました...
中里介山 「大菩薩峠」
...すんなりとはいえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...まるで白人の女のやうにすんなりとしてゐる...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...均勢のとれたすんなりとした身体つきにしてからが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...こんな居心地の良い邸宅からすんなり出て行けない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...メアリの口からラルフの名がすんなり出てきたのを聞いて嬉しかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...その指はすんなりと長くて肥って...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...すんなりとした手で徐かに膝を撫でている...
矢田津世子 「父」
...すんなりと泥を吐いてしまえば...
吉川英治 「私本太平記」
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