...「自分はいつのまにこんな無考へになつたのだらう? お鳥にすんでのことで突き倒されるところであつたし...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...冗談ぢやない先程兎を狙つてすんでのことに子供を撃ち殺さうとなすつたあの時に危なく起りかけた樣な不幸をいづれそのうちに一度惹き起しますよ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...すんでのことに声を挙げるところであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ギョッとしてすんでのことに私は声を立ててそこを逃げ出すところでございました...
橘外男 「蒲団」
...「江戸から来ておる花魁(おいらん)あがりが、てっきりばてれんを持って来たにちがいない、すんでのことに、昨夜(ゆうべ)はばてれんの蟹の鋏で、この大事の眼を、衝き刺されるところであった」為作はそれよりも神の奇瑞に心を奪われていた...
田中貢太郎 「放生津物語」
...すんでのことにあかにならされるとこじゃった...
壺井栄 「二十四の瞳」
...すんでのことでエレクトリークの手綱を離(はな)すところだったが...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ドアをどすんと突きあけた拍子に――帽子に喪章をつけた紳士とすんでのことで鉢合わせをするところだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...すんでのことに熊の口から助かって...
中里介山 「大菩薩峠」
...柄(がら)にもなく歌が唱(うた)いたくなり、すんでのことに、声を張上げるところだった...
中島敦 「悟浄出世」
...すんでのことに眠りこもうとしていたカルルはびっくりして起き上がり...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...すんでのことに仕止められるところでしたな...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...喉の奥のところに、固いものが突っかけてきて、すんでのことに、涙を見せるとこだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...すんでのことにおれの鼻へ咬みつきくさるところだつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...覆面の男溝川警察署長殿署長はすんでのことに...
平林初之輔 「祭の夜」
...すんでのことで手が後へ廻る所を」と左の手を後へ廻す真似をし「庄屋の旦那が口を聞いて下すつて...
三木竹二 「いがみの権太」
...すんでのこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...梁山泊一同の者は、明け暮れ心配のあまり、すんでのことに、県城の牢を破ッても、あなたを救い出そうとまで、評議していたほどなんですぜ」「さ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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