...するすると裾を捌(さば)いて...
泉鏡花 「婦系図」
...格子の外にちらちらした、主税の姿が、まるで見えなくなったと思うと、お妙は拗(す)ねた状(さま)に顔だけを障子で隠して、そのつかまった縁を、するする二三度、烈しく掌(たなそこ)で擦(こす)ったが、背(せな)を捻(よ)って、切なそうに身を曲げて、遠い所のように、つい襖の彼方(あなた)の茶の間を覗くと、長火鉢の傍(わき)の釣洋燈の下に、ものの本にも実際にも、約束通りの女中(おさん)の有様...
泉鏡花 「婦系図」
...するするとひらいたと思うと...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...するするとポケットに忍び込んだ...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...するするとあがった...
海野十三 「火薬船」
...するすると上って行った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...赤い紐のようなものをするするとひっぱりだした...
海野十三 「太平洋魔城」
...するすると爪立(つまだち)に伸(の)し上つたが早いか...
薄田泣菫 「旋風」
...するする渡りかけては...
太宰治 「虚構の春」
...するする滑り、泳いでいる...
太宰治 「佐渡」
...舟はするする滑って...
太宰治 「花火」
...坐りながらするするからだを滑り込ませ...
太宰治 「火の鳥」
...巻き縮んだ黒焦(くろこげ)の紙が一枚一枚するすると伸びて焼けない前のページに変る...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...そのうちに汽車がするする出て行った...
徳田秋声 「あらくれ」
...するすると停車場の構内から...
徳田秋声 「黴」
...するすると座右の刀が膝に上って来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...馭者台からするする降りてきた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...するすると昂軒の手をすりぬけ...
山本周五郎 「ひとごろし」
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