...棚の擂鉢(すりばち)や鉄鍋の間に...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...摺鉢(すりばち)の如くには深く陥(おちい)らず...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...ほだて汁(しる)にするゆゑすりばちはもたざるとぞ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...すりばちの底の町である...
太宰治 「九月十月十一月」
...「擂鉢(すりばち)の底」と評しているが...
太宰治 「新樹の言葉」
...突きあたりに摺鉢(すりばち)のような池の岸に出た...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...本目的に向っての擂鉢(すりばち)の墨汁は...
中里介山 「大菩薩峠」
...おつぎは與吉(よきち)が腹(はら)を減(へ)らして泣(な)く時(とき)には米(こめ)を水(みづ)に浸(ひた)して置(お)いて摺鉢(すりばち)ですつて...
長塚節 「土」
...自然と逼(せま)る擂鉢(すりばち)の底に近寄らねばならぬ...
夏目漱石 「野分」
...宗助(そうすけ)はそんな擂鉢(すりばち)の底(そこ)で一生(いつしやう)を過(すご)す人(ひと)の運命(うんめい)ほど情(なさけ)ないものはあるまいと考(かんが)へた...
夏目漱石 「門」
...善兵衛おじいさんが股(また)の間へ摺鉢(すりばち)を入れて...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...遠くから見るとまるで洗つたすりばちを伏せて...
林芙美子 「大島行」
...別に黒胡麻を炒(い)って擂鉢(すりばち)でよく摺(す)って味淋と醤油でドロドロに弛(ゆる)めたものの中へ鯛の身を入れて炊きたての御飯へかけて茶椀の蓋(ふた)をして出します...
村井弦斎 「食道楽」
...先日教えて戴いた薩摩芋の梅干和(うめぼしあえ)なんぞも忙がしい時に裏漉(うらごし)だけ略してお芋と梅干を直(す)ぐ摺鉢(すりばち)へ入れてよく擂交(すりま)ぜましたらそれでも結構食べられました...
村井弦斎 「食道楽」
...体外には裏漉(うらごし)だの擂鉢(すりばち)だのという便利の機械があって造作なく繊維を除(と)れるけれども胃と腸とは何の機械も持っていない...
村井弦斎 「食道楽」
...この窯でかつて長方形の片口のような擂鉢(すりばち)を作りましたが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...暗い処で摺鉢(すりばち)につまずいて足をたがわかしてしまいました...
無署名(夢野久作) 「三つの眼鏡」
...旱の為に水の減(へ)つた摺鉢形(すりばちなり)の四方(はう)の崖(がけ)の土は石灰色(いしばいいろ)をして...
與謝野寛 「蓬生」
便利!手書き漢字入力検索