...籠に緑児はねむり、すやすやと、沈黙の雫を吸ふ...
上里春生 「サガニー耕地より」
...改めてすやすやと睡りを貪(むさぼ)るという有様(ありさま)だった...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...すやすやと安らかな鼾(いびき)をかきはじめた...
海野十三 「太平洋魔城」
...そしてまもなく、長イスの寝台の上から、すやすやと、さも安らかな少年の寝息が聞こえてくるのでした...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...まだすやすや眠つてゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...すやすや眠っている...
太宰治 「正義と微笑」
...赤ん坊はすやすやと睡つて覚めなかつた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...そのよろこびを私もよろこびて・霜あしたうまれたのは男の子・お日さまのぞくとすやすや寝てゐる十二月五日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...すやすやと眠ってると言うのも...
豊島与志雄 「復讐」
...途絶(とだ)えた寝息がまたすやすやと聞える...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は聖者(しょうじゃ)のごとくただすやすやと眠っていた...
夏目漱石 「行人」
...馬車の中で馬車の中で私はすやすやと眠つてしまつた...
萩原朔太郎 「青猫」
...その人の魂はすやすやと眠つて居ます...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...みよ ひとつの魂はその上にすすりなきひとつの魂はその上に合掌するまでにいたるああかくのごとき大いなる愛憐の寢臺はどこにあるかそれによつて惱めるものは慰められ 求めるものはあたへられみなその心は子供のやうにすやすやと眠るああ このひとつの寢臺 あこがれもとめ夢にみるひとつの寢臺ああこの幻(まぼろし)の寢臺はどこにあるか...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...微かな寝息で純白の腹をびこつかせ乍らすやすやと眠って居る...
細井和喜蔵 「モルモット」
...すやすや眠っているらしい女に...
室生犀星 「童子」
...妹はそのまますやすやとねいってしまうのでした...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「にいさんと妹」
...羅門は遂に自刃(じじん)しました」――だが、一代の名与力、塙(はなわ)江漢は、その人々の声も、今は遠いところに聞くように、片手を、郁次郎の手へあずけ、身は、雪のごとく真っ白い花嫁の膝(ひざ)に抱かれたまま、さも幸福そうに、すやすやと、死を迎えているのであった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索