...醜女(すべた)が情人(いろ)を探しはしめえし...
泉鏡花 「婦系図」
...煙は雪の振袖をふすべた...
泉鏡花 「海神別荘」
...このすべた奴(め)」一寸法師は芝居がかりで始めた...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...醜女(すべた)の方が丁度手頃なからでは更々ない...
薄田泣菫 「茶話」
...はだし女やすべたには...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あの「すべたあま」...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「すべため、お前なんかの相手になるもんか……」と、ひよいと私を振り返つて聲高な日本語で云ひながら、水島君は冷たい笑ひを浮べた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...すべた奴(め)、親分の智慧がどんなに働くか、今に見ろ――と言つた恰好です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すべた奴(め)、親分の智恵がどんなに働くか、今にみろ――といった恰好(かっこう)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すぐ爐端にしやがみこんで榾をくすべた...
室生犀星 「命」
...よくもあんなすべたあまと見替えやがった...
山本周五郎 「青べか物語」
...あのすべたあまが長坊のことをなにか云ったのかい...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「女ッてえものはね、日に二三度は横ッ面をはっとばしてやらなくッちゃあいけね、拳骨でも平手でも、薪ざっぽでも構やしねえ、ぱんぱんッてね、……遠慮も会釈もねえ、まずいせえよくぶっくらわすこッた、ぱんぱんッてね、おらあその式だ、……やい阿魔ッ酒を買って来い、釜の下あ焚きつけろ、すべた野郎、来ておれの足を洗え、……おらあいつもこの式さ」「旦那は本気にしねえかもしれねえ」松は強いのをひと口飲んで続けた、「――だがね、旦那、おれがこんな式をやるにゃア、それ相当のわけがあるんだ、人間が酒を飲んで酔うには、酔うだけのわけがあるように、嘘アつかねえ、おらあね、……おれの父(ちゃん)でそいつをよく見たんだ、おれのこの眼でよ、旦那、おらあこれだけは旦那に云わずにゃアいられねえ」「おれの父は温和しい人間だった」松は舌ったるく話しだした、「――酒も煙草もろくろく口にしねえ、桶屋(おけや)だったが、腕はよかった、仲間の職人からそねまれるくれえの仕事をした、浅草橋からこっちの番手桶は父でなくッちゃあならねえ、と云われたくれえなんだが、仏性で、……そこは自分でもじれったかッたらしい、頭がこすくまわらねえ、仕事にはばかな念をいれるが、どうしてもあこぎな銭が取れねえ、おまけに人を騙(だま)すより騙されるッてえ、くちだった...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...それが五十日も経たないうちにすべたのおかめのおひきずりに変ってしまう...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...どこのすべたあまと寝て来たんだ...
山本周五郎 「へちまの木」
...もう帰りましたんで」「あんなすべたではない...
吉川英治 「治郎吉格子」
...そこのすべたを泣かした方が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...すべた、私窩子(じごく)、消えて失せろ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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