...すっかり苦労も何も忘れてしまいましたわ」葉子はすべすべとほてって少しこわばるような頬(ほお)をなでながら...
有島武郎 「或る女」
...すべすべした鉄のいたです...
江戸川乱歩 「赤いカブトムシ」
...すべすべした冷たいはだざわりだった...
江戸川乱歩 「影男」
...二人とも卵を剥(む)いたようなすべすべの皮膚をして...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...なにやらすべすべしてしおからい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...周囲は高くて滑々(すべすべ)で登る事の出来ない塀にとりかこまれて...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...ひげのないすべすべした顔...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...すべすべした羽二重(はぶたえ)の裏と...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...押へつけるやうにする指のはたらきそのぶるぶると身ぶるひをする愛のよろこび はげしく狡猾にくすぐる指おすましで意地惡のひとさし指卑怯で快活な小ゆびのいたづら親指の肥え太つたうつくしさと その暴虐なる野蠻性ああ そのすべすべと磨きあげたいつぽんの指をおしいただきすつぽりと口にふくんでしやぶつてゐたい...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...「ああ極楽! 極楽!」すべすべと柔かい十子のふくらはぎに私の足がさわると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...最初のしわがブランコ乗りのすべすべした子供のような額の上に刻まれ始めているのを見るように思った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「最初の苦悩」
...三回すべすべしたたんすから滑り落ちたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...その場所(あと)がまるですべすべののっぺらぼうになっているではないか! 仰天したコワリョーフは水を持って来させて...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...すべすべなめらかな毛艶(けづや)も無くなっている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...あんまり歴史がすべすべで民族自体の気力を感じさせる溌剌さを欠いている...
宮本百合子 「『くにのあゆみ』について」
...おふろに入っているときなどすっかりすべすべと平らになりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」「綺倆はどうだつたの、色白だに覺えてゐるが……」「色白やつた、すべすべやつた...
室生犀星 「命」
...何一つ眼を遮るものもないすべすべした崖にのぞんでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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