...天運を祈る外にはせんすべがないのだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それを取るすべがない...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...なかの内臓は黒い戦士のあぎとに暴露されていた――その方の胸板はあまりに厚くてどうにも喰いやぶるすべがないらしかった――そして手負いの彼の眼の暗紅のザクロ石は戦いのみが燃やすことのできる兇暴さに燃えているのが見られた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...日本側の記録でも知るすべがない...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...それよりほかすべがないほど...
中井正一 「知識と政治との遊離」
...自分を保つすべがないやうな破目(はめ)になります...
中原中也 「寒い夜の自我像」
...怠惰を(のが)れるすべがない!いのちの声もろもろの業(わざ)...
中原中也 「山羊の歌」
...さて、二間半に一間半の背景は、福岡君と二人でかついで行ったが、厳重な男子禁制なので、校門の前で、福岡君の姉さんに渡し、その後はどうなったか、知るすべがない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...見るすべがないのかといふとさうではない...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...その内容の實在的有は無の中に葬り去られたるままもはや呼び返へすすべがない...
波多野精一 「時と永遠」
...私はどうにも施すすべがないので...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...しゃべるすべがない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私には私の悲しみを防ぐすべがない...
三好達治 「測量船」
...わたしにはとてもほどくすべがない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その色以外の色は見届けるすべがない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...死ぬよりほかにこの呪いから逃れるすべがない事をくり返しくり返し思い知らせられたであろう...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...その面の記憶の稀薄をぼくに糊塗するすべがない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...それを知り得るすべがないからと同じです...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??