...倉地の心がすさめばすさむほど葉子に対して要求するものは燃えただれる情熱の肉体だったが...
有島武郎 「或る女」
...毎日こがらしが吹きすさむ...
岩本素白 「こがらし」
...凩の吹きすさむ中に漂うておるような人間である...
高浜虚子 「俳句への道」
...彼女の心はすさむ一方であった...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...冷酷なる運命の道にすさむ嵐をしてそのままに荒しめよ...
田山花袋 「田舎教師」
...さはれ木枯吹きすさむ夜半(よわ)...
田山花袋 「田舎教師」
...秋立つ風がことのほか吹きすさむ頃...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...肥(ふと)ることが荒れすさむことになるような...
豊島与志雄 「道化役」
...人間の上に吹きすさむ風のために一社会が覆没することは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...河風(かはかぜ)の湿(しめ)ツぽさが次第に強く感じられて来て浴衣(ゆかた)の肌(はだ)がいやに薄寒(うすさむ)くなつた...
永井荷風 「すみだ川」
...吹きすさむ梅雨晴の夜風は肌寒いほど冷(ひややか)である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...二重廻(にじゅうまわし)も着ずに出て来た身には吹きすさむ風の寒さ...
永井荷風 「ひかげの花」
...七升は飲めまい」妙に七升を振りまわすさむらいだと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...嵐は卍(まんじ)に吹きすさむ...
夏目漱石 「二百十日」
...寒風吹きすさむ思ひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...茫々(ぼうぼう)たる津の国にすさむ木枯(こがらし)を厭(いと)うていった...
室生犀星 「津の国人」
...愚劣な風聞や風評が徒(いたず)らに吹きすさむこの混沌の中に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...七月になつても薄寒(うすさむ)を覚える様な気候である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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