...三 武さん武(たけ)さんは二十八歳の時に何かにすがりたい慾望を感じ...
芥川龍之介 「素描三題」
...自分一人ではどうしようもない力の不足――倚(よ)りすがることのできるものに何もかも打ち任(ま)かして倚(よ)りすがりたい憧(あこが)れ...
有島武郎 「星座」
...何かにすがりたいんだ」五郎は女にささやいた...
梅崎春生 「幻化」
...ほとんどキリストにすがりたい気持にさえなった事もあるのですが...
太宰治 「惜別」
...この同情にすがりたいと云うような素振をしていた...
田中貢太郎 「花の咲く比」
...同情にすがりたいという本能的な欲求があった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私はいつしか子供心に老僧を敬ふ念をおこしどうかしてこの人にすがりたいと思ひはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...御先祖の清正公の魂にすがりたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしはつい一度もこんなに取りすがりたいような...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...武蔵に胸にすがりたいのを人目にこらえつつ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たよりすがりたい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...すがりたいようなものが正直に出てしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...藁(わら)にもすがりたい恐怖の中の老幼男女は...
吉川英治 「新書太閤記」
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