...閑耕は、キラリ目金(めがね)を向けて、じろりと見ると、目を細うして、髯(ひげ)の尖(さき)をピンと立てた、頤(あご)が円い...
泉鏡花 「婦系図」
...」四十七もう傍(そば)へ来そうなものと、閑耕教頭が再び、じろりと見ると、お妙は身動きもしないで、熟(じっ)と立って、臈(ろう)たけた眉が、雲の生際に浮いて見えるように俯向(うつむ)いているから、威勢に怖(お)じて、頭(かしら)も得(え)上げぬのであろう、いや、さもあらん、と思うと……そうでない...
泉鏡花 「婦系図」
...横顔をじろりと見る...
泉鏡花 「婦系図」
...無愛想な眼(め)でわたしをじろりと見ると...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...隣の大将が食卓でオール・ドゥーヴルを取ってから上目で給仕の女中の顔をじろりと見る...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...彼女たちは無頼漢(ごろつき)どものじろりと見る眼に憤って見返すよりも涙ぐんで身を縮め...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...先棒がふりかえってじろりと見る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「まあ、親分、馬鹿らしい――」と、お初は手を振って、「女のあたしに頭なんぞ、お下げになることがありますものか――だがねえ、親分、ほかのことなら、どんなことでも、おっしゃるままにしたいけれど、このことばかりは堪忍して下さいな」闇太郎は、黙って、相手を、じろりと見る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ふり返ってじろりと見るなども...
柳田国男 「年中行事覚書」
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