...じろりと見(み)る...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...上眼でじろりと其方(そちら)を見ただけで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...額(ひたい)ごしにじろりじろりとみんなをながめていたが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「少年たち」
...ヴェリチャーニノフをじろりと一瞥して...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...久子の方をじろりと見たが...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...男はじろりと丸彦を見あげましたが...
豊島与志雄 「長彦と丸彦」
...私はじろりと見やったが...
豊島与志雄 「白日夢」
...それでも彼は皆からなお勧められると、じろりと横目で、向うに居るお清の顔を見た...
豊島与志雄 「反抗」
...女中は胡弓をじろりと見た...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...お前は、わるい女のようではないが、どうして、政府の物を盗むようなことをするかね?」「お父っあんが、煙草がしんから好きなもんですけえ……」「なんぼ親孝行でも、法は法、可哀そうでも、罰金をかけにゃあなるまいなあ」「お役人さん、もうしませんけ、どうぞ、堪忍して……」「さあねえ」思わせぶりに、役人は、じろりと、マンを見た...
火野葦平 「花と龍」
...蜂蜜を木の鉢に入れて持ち出した女中頭をじろりと眺めたり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そのじろりと視た眼付が眼の底に染付(しみつ)いて忘れようとしても忘れられない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...彼はその声の方をじろりと見た...
本庄陸男 「石狩川」
...長崎屋さまに御不便だとお思いあそばしますと、あなたさま、見す見す莫大(ばくだい)な御利分があると御存じでありながら、お手をおゆるめになるとは、全く以って、恐れ入る外はござりませぬ」すると、広海屋が、組んでいた腕を、ぎゅっと引きしめるようにしながら、じろりと、雪之丞を見て、「太夫、そなたは、長崎屋にも、贔屓(ひいき)にされている身、だが、そこまで申してくれる故、打ちあけるが、商人道というものも、そなたが、今、言われる通り、どんな恩人、友達の仲でも、いざという場合は、武士の戦場、かけ引きがのうては叶(かな)わぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...すつとナイフででも切るやうな鋭い目つきで瞬間的にじろりと見たりしてゐた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...禅閤はふり向いて白い眉毛の蔭からじろりと男の顔を見...
吉川英治 「親鸞」
...じろりと冷たい眼をくれながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「一人ぼっちですって?」――じろりと上眼づかいに...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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