...常務とかいう肥ったおっさんと」じとじととした背中を座席から引き離しながら...
梅崎春生 「記憶」
...じとじとする畳をふんで奥座敷の東側の障子をあけ放った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...赤色にすりそめた着物の袖(そで)がじとじとにぬれました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...肌はじとじとしはじめ...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...きょうも朝からじとじとと...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...秋雨のような雨がまだじとじと降っていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...墓場はじとじとしてぬかるみだらけ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その雨がまたじとじと降り続いてる夕方...
豊島与志雄 「変な男」
...じとじとと湿った敷藁のうえで...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...それでなくてさえ、むし暑い晩なのに、勝則の額には、内心の苦渋から湧く油汗が、じとじとと、浮いて流れた...
火野葦平 「花と龍」
...からだはじとじとするあせでおおわれ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...じとじとした顔つきとを持っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...黒土の上に透き間もない苔は木立の間に形ばかり付いていた小道をも埋(うず)めて踏めばじとじとと音もなく水の湧(わ)き出る小暗い庭は...
水上滝太郎 「山の手の子」
...じとじとしたあぶらが...
室生犀星 「香爐を盗む」
...じとじとになった岸の土をぱっと呑(の)みこんでは...
室生犀星 「寂しき魚」
...今のうちならまだすいていますよ」「有難う存じます」「このまま梅雨(つゆ)にでもなりそうで肌がじとじとする...
山本周五郎 「新潮記」
...秋水蕭殺じとじとと...
吉川英治 「平の将門」
...及びそこから生まれるじとじとした不吉な反感のことなど殆ど忘れてしまった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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