...して見れば彼の馬の脚がじっとしているのに忍びなかったのも同情に価(あたい)すると言わなければならぬ...
芥川龍之介 「馬の脚」
...明神池の藻の花の間に顔をつっこんで絶息する迄じっとしているか……三十を越して...
石川欣一 「可愛い山」
...そして好きな金魚が寒鯉のように動かずじっとしていると心配になるとみえて...
上村松園 「棲霞軒雑記」
...ここにじっとしているんだよ...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...やっぱり、ふたりの黒い老人のからだに、守られて、たからもののように美事に光って、じっとしている...
太宰治 「美少女」
...女はじっとしている...
夏目漱石 「三四郎」
...こうしていまは静かに雨の音を聞きながら床の中にじっとしている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ときどきじっとしているグレゴールの上に視線を投げている...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...長い間じっとしている...
久生十蘭 「地底獣国」
...そのまま私がじっとしていると...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...馬車の前にじっとしていると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...じっとしているのが目に附く...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...男は腕附(つ)きの椅子(いす)に腰を掛けてじっとしている...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...いや廐(うまや)の中にじっとしているところをも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほとんど家にじっとしていることのないわたしの気性を見て...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この節では硝子に円い口をつけたままじっとしていることが多い...
矢田津世子 「神楽坂」
...そこでじっとしているわけではないが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...にんじんはどうかというと、ぴりっとも身動きをせず、唇(くちびる)を壁土のように固くさせ、耳の奥がごろごろ鳴り、頬(ほっ)ぺたを焼林檎(やきりんご)で膨(ふく)らませながら、じっとしている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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