...我慢がし切れないと云ふ風に...
有島武郎 「An Incident」
...讃辭を呈し切れないやうな作家が他に澤山あるのかも知れない...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...彼等は隠し切れない喜悦の感情を顔に表はした...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...これはどうしても弁解し切れない大事実だと思う...
伊波普猷 「沖縄人の最大欠点」
...文學者につき添ふ貧乏はなか/\辛抱し切れない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どうしても收容し切れない場合なら...
寺田寅彦 「伊香保」
...生産関係によって抑圧し切れない技術的生産力があればこそ...
戸坂潤 「技術の哲学」
...津田は帽子と外套の襟で隠し切れない顔の一部分だけを風に曝(さら)して...
夏目漱石 「明暗」
...お願いしたら直ぐ来てくれ給え」伯爵の顔にも隠し切れない悲痛な色が動きます...
野村胡堂 「死の予告」
...どんなにやつしても隱し切れないのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一日の行樂をまだ堪能(たんのう)し切れない貪婪(どんらん)な享樂追及者達は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼は愛に燃える若者にとってごく自然な辛抱し切れない気持ちに駆り立てられ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...邪悪な喜びを隠し切れないといったふうに...
久生十蘭 「キャラコさん」
...テイラア課長は緊張を隠し切れない...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...ここには何か一寸には云い表し切れない複雑な美しさの綜和がこめられているのですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...片々たるものにはつくし切れないのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何んとしても殺し切れないものは嫉妬の虫ばかり...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...しまひには屍を鳥邊山へ埋葬し切れないで...
吉川英治 「折々の記」
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