...豊かな髪の毛をとおして寒さがしんしんと頭の中にしみこむのが...
有島武郎 「或る女」
...しんしんと底も知らず澄み透(とお)った心がただ一つぎりぎりと死のほうに働いて行った...
有島武郎 「或る女」
...しんしんと体がどこかに沈み込んで行くような感じがするね...
梅崎春生 「狂い凧」
...しんしんと深いものがありました...
豊島与志雄 「乾杯」
...月もみえずにしんしんと不安の闇がふけてゆく...
中勘助 「島守」
...冬の夜はしんしんとふけ渡って...
永井荷風 「西瓜」
...なんだかしんしんといやな気持になってゆくのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...しんしんと降る雪の夜のごとく静かになった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...膝から下がしんしんと冷えてくる...
林芙美子 「浮雲」
...しんしんと冷える...
林芙美子 「新版 放浪記」
...しんしんと蝉は鳴いている...
林芙美子 「清貧の書」
...しんしんとふり積る雪の日の静けさは...
本庄陸男 「石狩川」
...しんしんと私は羨ましかった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...いい気持そうに、弥蔵(やぞう)をきめて、いくらか、皺枯(しゃが)れた、錆(さび)た調子で、たまさかに一座はすれど忍ぶ仲晴れて顔さえ見交わさずまぎらかそうと自棄(やけ)で飲むいっそしんきな茶碗酒雪になりそな夜の冷えなどと、呑気そうな、隆達(りゅうたつ)くずしが、しんしんと、更(ふ)け渡るあたりの静けさを、寂しく破るのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...樹がしんしんと立っている...
水野葉舟 「遠野へ」
...その底がどれほど深いかその奥(おく)に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずただ眼がしんしんと痛むのでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...しんしんと傷む心を...
吉川英治 「大岡越前」
...しんしんと、肉が凍(こご)え、骨が冷え、五体もばらばらになり、その極(きわ)みには、かっと熱くなって、血があたまへ逆流するのが分ってくる...
吉川英治 「私本太平記」
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