...春の夜の曹司(ぞうし)はただしんかんと更け渡って...
芥川龍之介 「道祖問答」
...しんかんとなっていた席がどっと湧(わ)き立って大騒ぎになった...
梅崎春生 「風宴」
...森閑(しんかん)としていた...
太宰治 「狂言の神」
...柳が柳へ芽ぶいてゐる・旅も何となくさびしい花の咲いてゐるしつとりと降りだして春雨らしい旅でお寺の銀杏も芽ぐんでしんかん・そここゝ播いて食べるほどはある菜葉・水に影あれば春めいて・春寒い朝の水をわたる・船窓(マド)から二つ...
種田山頭火 「其中日記」
...庇(ひさし)の長く出た広い通りは森閑(しんかん)としている...
田山花袋 「田舎教師」
...しんかんとした静けさを破って山の方までひびいた...
壺井栄 「赤いステッキ」
...特別な宸翰(しんかん)を二つ書かれました...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しんかんとしてるところへ自分の声ばかり響いてなんにも聞えない...
中勘助 「銀の匙」
...八幡村を震撼(しんかん)させるような恐怖が起ったのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...声が苦しい――これ、何か、飲みものを、早う持って来い持って来い!」と、呼べど、叫けべど、返事もなく、もとより塗り籠めの中、火事場の騒ぎさえ、ひびいても来ず、しんかんと、ひそまり返っているままに、わめきつれて、いつか、睡魔が、うとうとと襲って来て、そのうちに、我れ知らず、眠ってしまえば、狂も、不狂も、おなじ夢の境...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...森閑(しんかん)として寂しく光った...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...それにしても病院中が森閑(しんかん)となっているのだから...
夢野久作 「一足お先に」
...白夜を震撼(しんかん)した...
吉川英治 「三国志」
...吟味所の冷気は一瞬震撼(しんかん)し...
吉川英治 「私本太平記」
...――その神官(しんかん)の眼が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...神官(しんかん)の菊村宮内(きくむらくない)に...
吉川英治 「神州天馬侠」
...神主の返辞(へんじ)もなければ神官(しんかん)たちの応接(おうせつ)もない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...しんかんとしていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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