...泡にも足らぬ小魚を掬(しゃく)う...
泉鏡花 「海神別荘」
...二葉亭のこの我儘な気難かし屋は世間普通の手前勝手や肝癪(かんしゃく)から来るのではなくて...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...頤(あご)をしゃくって頷(うなず)いて見せます...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...今度は十五六のお転婆な雛妓(おしゃく)が...
谷崎潤一郎 「幇間」
...伯爵(はくしゃく)夫人の伯母さんにぶつかってみるのも悪くはあるまい...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...熔岩流の末端の裂罅(れっか)から内部の灼熱部(しゃくねつぶ)が隠見する状況の記述にふさわしい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...侯爵(こうしゃく)とか伯爵(はくしゃく)とか貴族(きぞく)のやしきによばれて...
ヴィルヌーヴ夫人 Madame de Villeneuve 楠山正雄訳 「ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」
...」わたくしはむしゃくしゃして...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...自分にたいするクリストフの態度が癪(しゃく)にさわっていたばかりでなく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...黙って丁寧に会釈(えしゃく)をした書生に...
夏目漱石 「明暗」
...丈(たけ)の長短を斟酌(しんしゃく)せず一人前は一反(たん)と定めてある...
新渡戸稲造 「自警録」
...知らねえならなんでそんなに慄えるんだね」真名古は机の上から以前の写真を取り上げてそれを笑子に手渡しすると、頤をしゃくって、「よく見ろ、これは岩井の写真じゃない、総監の写真だ...
久生十蘭 「魔都」
...右に柄杓(ひしゃく)を持ち...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...地下千尺(しゃく)の静けさが感じられる一刹那(せつな)である...
夢野久作 「怪夢」
...斟酌(しんしゃく)損益し...
吉川英治 「三国志」
...一族の船田ノ入道善昌(ぜんしょう)へあごをしゃくって...
吉川英治 「私本太平記」
...――茶杓(ちゃしゃく)茶碗(ちゃわん)を守り神のように持たせ...
吉川英治 「新書太閤記」
...もっと重い苛責(かしゃく)を心のうちで求めた...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索