...ボワツとしたしまりのない大きな体躯、しまりのない唇、それ丈(だ)けでも、充分に、平塚さんに侮蔑される価値はあります...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...ぶくぶくふとったしまりのない顔をして...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...しまりのない厚ぼったいくちびる...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...涎(よだれ)を流しているしまりのない顎(あご)のあたり...
徳永直 「冬枯れ」
...」贅肉の多いしまりのない頬が...
豊島与志雄 「常識」
...しまりのない唇から洩れる金歯の光...
豊島与志雄 「操守」
...彼の薄い唇にしまりのないことを気付いた...
豊島与志雄 「林檎」
...曇りかかってる眼としまりのない薄い唇とを...
豊島与志雄 「林檎」
...たしかカルタ会の場面からなのだが何だかしまりのない舞台面で...
中里介山 「生前身後の事」
...しないような心持でしまりのない足をいい加減に運ばせてゆくと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...白痴(こけ)が物乞するようなしまりのない声で呼んでいるのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...しまりのない感じで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...しまりのない口語詩に直すとこんな風になる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...常にぼこぼことしまりのない土地で...
北條民雄 「癩院記録」
...そのしまりのない口の傍(はた)を...
牧野信一 「蝉」
...しまりのない声で石山が呼んだ...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...体中にしまりのない子なのだから重さは非常なもので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...柔和なしまりのない気性の女だった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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